国連の「人権条約に基づく拷問禁止委員会(Committee Against Torture)」は12月9日に報告を発表し、中国共産党の臓器狩りに関する告発を独立調査するよう求めた。国際NGO機構「法輪功迫害追査国際組織(以下・追査国際)」の責任者・汪志遠氏によると、中国共産党による法輪功学習者への臓器狩りは依然として止まず、むしろ増えていると指摘した。
臓器狩り独立調査へ
9日の報告では、拷問禁止委員会は独立調査機関を委任し、タイムリーに、公正かつ有効に臓器狩りの罪及び拷問や虐待などに関する告発を調査するよう求めた。また、この機関の調査人員が拷問と虐待の容疑者との間に如何なる関係もないこと、この機関が妨害されずに職責を果たすことを保証し、そして拷問と虐待の疑いのある者を提訴し、相応の処罰を行うよう求めた。
この報告は、拷問禁止委員会が中国共産党当局の提出した第5段階の調査レポートを審査し、さらに国連特別調査員の話を聞いた後にまとめたものである。
1984年12月10日、拷問等禁止条約が国連総会で可決された。現在、中国を含む146の国がこの条約に加入している。
臓器狩りが増加
2014年12月、黄傑夫・中国衛生部元次官は雲南省の昆明で開かれた臓器移植関連の会議で、2015年1月1日から、中国は全面的に死刑囚の臓器の使用を停止し、国民自らの意志による臓器提供がドナーの唯一の合法的な出所になると宣言した。
2015年12月10日、世界人権デーの米国国会シンポジウムで、「追査国際」責任者の汪氏は、黄傑夫氏の言ったことは全くの嘘であり、法輪功学習者への臓器狩りは停止しておらず、むしろ増える傾向にあると伝えた。
汪氏によると、今年11月27日に発表した「追査国際」のレポートから以下の三つのことがわかった。一つは中国国内の民衆による臓器提供はとても少ないこと。二つは行われた臓器移植の数は依然として多く、臓器の待ち時間がきわめて短く、ドナーが十分であることから、一般の民衆による臓器提供では説明できないこと。三つは一部の移植医が法輪功学習者の臓器を使用することを認めたこと。
そうした一連の調査から、中国共産党による法輪功学習者への臓器狩りはまだ続いており、しかも6月以降、増加していることが判明した。調査は2015年1月~11月の間、中国本土の165カ所の臓器移植の資格を持つ病院と一部の一般民衆による臓器提供の機構に対して電話調査の形式で行われた。
例えば、2015年6月25日、鄭州人民病院肝胆外科の当番の医師は、ドナーの待ち時間は速い時は2日ないし3日、遅くても10日ほど、費用は約50万元、我々のところにはドナーがたくさんあると話した。
同年6月30日、広州中山大学第1付属病院肝胆外科の医師・韓氏が電話を受けた。韓氏は黄潔夫氏が毎年500余例の肝臓移植手術をしたという話を聞くと、「私達のところ今1500余りの手術を行う人もいる」と答えた。また韓氏は法輪功学習者を監禁する人体臓器バンクの存在や法輪功学習者の臓器を移植用に使ったことを二度も肯定し、「そうだ、間違いない」と話した。
また以前の調査では、2014年9月、元中共軍総後勤部衛生部部長・白書忠は、国際調査員との対話で「臓器狩りを命じたのは江沢民だ」と暴露した。
悪行を停止せよ
12月10日当日、国連の宗教と信仰の自由問題の特別調査員であるHeiner Bielefeldt教授は、取材を受けた際、臓器狩りの行為自身は非常におぞましいもので、生きている人間に対する強制的臓器摘出はとても残酷な人権侵害だ。特に法輪功学習者などへの臓器狩りはさらに残忍で非人道的だと話した。
米国の国会議員テッド・ポーエ氏(Ted Poe)は、「臓器狩りを行った者に対して責任を追及しなければならない。中国共産党政権は臓器狩りを停止すべきだ」と語った。
06年、大紀元ははじめて中国東北部瀋陽市近郊の病院が生きた法輪功学習者への臓器狩りに加担した内幕を暴露し、国際社会に大きな衝撃を与えた。その後、カナダの人権弁護士デービット・マタス氏と元国会議員で外務省前アジア太平洋地区担当大臣のデービット・キルガー氏は調査レポート『中国臓器狩り』(Bloody Harvest)を出版し、数十種類の証拠を挙げて中国本土での法輪功学習者に対する臓器狩りの存在を証明し、少なくとも4万以上の臓器が出所不明と指摘した。この暴挙は国際社会で「この地球上かつてない罪悪」と呼ばれた。
(翻訳編集・金本)
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