米国トランプ次期政権移行チームは、大統領選挙中にドナルド・トランプ氏が揚げた米国第一の公約の下、貿易政策の重点と目標を示す「貿易政策計画」を制定した。来年1月20日同政権が発足直後に、トランプ氏は「北米自由貿易協定」(NAFTA)などの貿易政策改革に着手する。米メディア「CNN」(15日付)が伝えた。
CNNによるとこの「貿易政策計画」では主に5つの基本原則がある。1つ目はNAFTAの再交渉、または撤退。2つ目は「環太平洋経済連携協定」(TPP)の中止。3つ目は、不公平な輸入を停止。4つ目は不公平な貿易行動を終結させる。5つ目は両国・地域間の貿易協定を交渉する。貿易政策の最終的目標は「米国での雇用機会を拡大させる」ことだとしている。
政権発足後直ちに、トランプ大統領は、商務省や国際貿易委員会に対してNAFTAによる米国経済への影響を再評価することを指示、またメキシコとカナダ政府に対して為替操作、原産地表示などを含むNAFTA修正を提案、と一連の作業が行われるという。
政権発足後の100日間には、NAFTAのほかに、中国との貿易戦略を制定し、中国を「為替操作国」に認定するかどうかを判断する。また中国との2国間貿易協議を行っていく。
政権発足後の200日間には、再交渉に関して米国に不利だと判断した場合、NAFTAから離脱する。その後、米・カナダ、または米・メキシコの2国間貿易協定の交渉に移行する。
カナダのジャスティン・トルドー首相は10日の記者会見において、「米国がNAFTAを再交渉したいのなら喜んで応じる」と話した。
メキシコのイルデフォンソ・グアハルド経済相はこのほど、「トランプ氏にNAFTAの戦略的重要性を説明したい」「再交渉ではなく、われわれは対話するだけだ」とした。
現在、世界の主要な自動車メーカがメキシコに生産拠点をもっており、ここ数年、日本の自動車メーカーもメキシコに新工場を建設している。それに付随して関連する部品や素材メーカーも相次いで進出しており、メキシコはいまや日本の自動車産業の主要な生産拠点となっている。どのメーカーもNAFTAによって北米に自動車を無関税で輸出できるメリットを享受しているだけにトランプ陣営の貿易政策がどうなるか注視している。
(翻訳編集・張哲)
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