米国務省の女性幹部職員はこのほど、中国共産党政権の諜報員らとの密通を隠し通すため、捜査妨害などを行ったとして逮捕・起訴された。罪が確定すれば、最高25年の禁固刑を言い渡される。
キャンダス・クレーバーン被告(60)は1999年から米国務省に入省、政府の最高レベルの機密資料に接触できる権限を持つ。
取り調べで同被告は、5年前から中国の諜報員2人と頻繁に接触し、「頼まれた『仕事』で年に2万ドルの報酬をもらう」と供述したが、漏らした情報は機密レベルのものではないとして無罪を主張している。
検察の起訴状は、同被告の一部主張を認め機密漏えい罪に問わないとしたものの、その容疑について、外国諜報員との内通を隠ぺいし捜査を妨げた(最高刑20年)、FBIに虚偽の証言を行った(最高刑5年)とあげている。罪が確定すれば、最高25年の刑を受ける。
英紙フィナンシャル・タイムズによると、中国の諜報員が同被告にもとめたのは、米中戦略・経済対話や人民元為替相場など両国間の経済問題に対するアメリカ政府の見方など、「インターネット上で得られない情報」だ。
FBIや検察の発表によると、2人の諜報員のうち1人は中国商社のオーナーで上海市でレストランなどをも経営し、被告の一部の任務はもう1人の諜報員の海外留学・就職を補助することだった。
米連邦捜査局(FBI)が今年1月おとり捜査を行い、クレーバーン被告の背任事実を突き止めたが、被告は中国諜報員に証拠隠滅を指示するなど捜査をかく乱した。
FBIは3月28日、同被告を逮捕。初公判は18日に開かれる予定。
(翻訳編集・叶清)
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