日本の外科医ら100人署名 移植法改正を求める

2017/05/01 更新: 2017/05/01

東京と台北からの2団体が、横浜で4月27~29日に開かれた日本外科学会の年度大会に出展し、医師ら医療関係者に移植法の改正の必要性を伝えた。移植目的で中国渡航を禁じることを求める署名活動には、団体によると、100人近くの医師たちがサインした。

「日本の移植法改正が必要」大量殺人が疑われる中国移植ツーリズム止めるため

現行法では、移植目的の中国渡航が規制されていない。中国の臓器移植でドナーとなっているのは、本人の意思にかかわらず臓器を強制摘出された「良心の囚人」で、大量殺人が背景にあると強く疑われるため、「日本人がこれに関与しないための法整備が必要です」と団体は説明している。

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中国への渡航移植問題を考察する団体「移植ツーリズムを考える会」(本部東京、以下「考える会」)と台湾国際臓器移植関懐協会(以下「協会」)の2団体は、大会出展にあわせて移植法改正のための署名活動を展開。期間中に計100人近くが署名に応じたという。

2団体の説明に耳を傾けた医師らは、中国で良心の囚人が巨大なドナーバンクになっている情況に驚く一方、医療現場でこれまで覚えた違和感を口にした。

日本外科学会の年度大会にブースを出展し、医師らに「臓器狩り」の情況を説明する(台湾国際臓器移植関懐協会)

「待機時間がやけに短い」「手術件数は公表の10倍では」日本の医師、中国の医療現場で違和感

 

「待機期間の短さは不思議に感じていた」「以前から実際の手術件数は公表の10倍はあると考えていた」。説明資料を読み、臓器狩りの調査映像を見入った多くの医師は「こんなことは絶対に許されない」と述べ、署名した。

パシフィコ横浜で開催された今年の日本外科学会定期学術集会には、日本全国から1万5000人の医師が参加。2団体は今回、初めて出展した。

台湾国際臓器移植関懐協会は2015年、台湾における中国への移植渡航を実質的に禁止する条例の制定に大きく働いていた。それをふまえ、日本でも「移植ツーリズムを考える会」と共に、法律改正を促進して中国への移植渡航を根絶することを目指している。

協会の卓廷威氏は、今年2月にバチカンで開催された臓器売買撲滅サミットで日本が大会宣言に署名したことを「大きな一歩」と評価し、今後着実に実施されることに期待をよせた。

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同宣言は▼自国内で臓器移植をまかなえる体制を作ること▼政府はすべての臓器移植を把握できる適切な登録システムを作ること▼当局は、自国に在住するものが自らの法域外において犯罪の疑いがもたれる移植手術を調査する、と署名国に求めている。

(張琴音)

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