[ワシントン 20日 ロイター] – トランプ米大統領は20日、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が、記者のジャマル・カショギ氏殺害計画を把握していた可能性があるとしても、同国の「堅実なパートナー」であり続ける考えを示した。
ホワイトハウスが声明を出した。サウジとの軍事面の結びつきを放棄する意向はないとし、「米国がおろかにも放棄すれば、ロシアと中国を大きく利することになる」と指摘。
その上で、サウジは重要なビジネスパートナーであり、イランとの戦いにおける「偉大な同盟国」でもあるとした上で「米国は自国やイスラエルなど地域連携国の国益を確保するべく、サウジの堅実なパートナーにとどまる意向だ」と述べた。
殺害事件の証拠については、米情報機関が調べを続けていると説明。「皇太子が今回の悲劇的な出来事について知っていた可能性は非常に高い。知っていたかもしれないし、知らなかったのかもしれない」とした上で、サルマン国王やムハンマド皇太子は殺害の計画や実行に関する認識を強く否定しており、真実は永久に解明されないかもしれないとした。
こうした中、民主党幹部らはトランプ氏がムハンマド皇太子への対応を怠っていると批判、米国はサウジへの支援を打ち切るべきだと主張した。
民主党のディック・ダービン上院議員は、トランプ氏は、カショギ氏の残虐で計画的な殺害に目をつぶることで、再び米国の情報機関を無視して国内外で米国の評価をおとしめたと批判した。
来年1月から下院情報委員会の委員長となる見通しのアダム・シフ議員は声明で、皇太子がカショギ氏殺害を知らなかったり関与していないということはあり得ないと指摘。イエメンでの対サウジ軍事支援を打ち切り、サウジへの武器売却を停止すべきとした。
トルコのチャブシオール外相は、カショギ氏殺害に関してサウジ側からの協力に十分満足していないと述べ、国連による正式な調査を検討していると明らかにした。
また、イランのザリフ外相はツイッターに「サウジの残虐行為に関する声明の最初の段落を使ってトランプ氏は思いつく全ての不正行為でイランを非難している」と投稿した。
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