ファーウェイ、贈賄などで「世界21カ国で捜査」=米VOA

2019/02/13 更新: 2019/02/13

中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)はアフリカやアジアなど世界21カ国で、贈賄や政治的腐敗の疑いで捜査を受けた。米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が11日に伝えた。

報道によると、アフリカのアルジェリア政府は2012年、ファーウェイの幹部が贈賄罪で有罪判決を受けた後、同国政府の通信関連入札から同社を排除した。ザンビアでも、数百万ドル規模の農村部移動通信基地局のプロジェクトで、贈賄の容疑で現在同国政府から調査を受けている。

南太平洋に位置する島国、ソロモン諸島では2017年、ファーウェイがオーストラリアまでつなぐ海底光ファイバー・ケーブル敷設契約の取得のため、同国与党に約525万ドル(約5億8051万円)の選挙資金を提供した。

ファーウェイ側は、贈賄などの容疑について否定しているが、米シンクタンク、ヘリテージ財団のアフリカ問題専門家であるジョシュア・メサーベイ(Joshua Meservey)氏は、ファーウェイはアフリカで腐敗行為などを繰り返してきたとVOAに対して主張した。

米ジョージ・メイソン大学アントニン・スカリア・ロースクールの国家安全研究所(National Security Institute)研究員、アンディー・カイザー(Andy Keiser)氏は2018年6月、米議会の公聴会で、「過去12年間、ファーウェイとZTE(中国通信機器大手の中興通訊)は腐敗行為で、21カ国の政府に捜査または有罪判決を受けた」と述べた。

これらの国は、アルジェリア、ガーナ、フィリピン、マレーシア、モンゴル、ノルウェー、ソロモン諸島、パプアニューギニアなど、アフリカ、欧州、アジア、オセアニア各国だ。

「中国国内でさえ、ファーウェイは当局の反腐敗取り締まりの対象である」2017年、中国当局はファーウェイの国内消費者向け事業の幹部を収賄罪の容疑で逮捕した。

VOAによれば、米コンサルタント会社、RWRアドバイザリー・グループの統計では、ファーウェイが世界各国で贈収賄や他の汚職行為によるファーウェイのビジネス取引は50億ドル(約5529億円)を上回ると示された。RWRアドバイザリー・グループは、中国の海外投資を調査している。

途上国政府への贈賄や不正献金

VOAは、ファーウェイはプロジェクトの契約や他のビジネス的優位性を取得するために、アフリカやアジアの途上国の政府や政党に対して直接に贈賄や不正献金を行ったとした。

アルジェリアでは、ファーウェイとZTEの幹部が、国家通信事業者の元幹部1人と実業家1人にそれぞれ1000万ドル(約11億573万円)を贈賄した。2012年、同国の裁判所は収賄の罪で2人に対してそれぞれ懲役18年を言い渡した。また、ファーウェイとZTEの幹部に対して贈賄罪で懲役10年を言い渡した。同時に、アルジェリア政府は、ファーウェイとZTEを2年間、公的入札への参加を禁止した。

また、ファーウェイは2012年のガーナ大統領選挙で、与党である国民民主会議(NDC)に数百万ドルの活動資金を提供したと指摘された。国民民主会議は見返りに、ファーウェイに1億5000万ドル(約166億円)にのぼる政府の電子プラットフォーム構築プロジェクト契約を与えた。

VOAの報道によると、ファーウェイは南アフリカ、ナイジェリアとパキスタンでも、政治的腐敗に関わったと非難されている。

(翻訳編集・張哲)