デルタ株感染拡大の米オレゴン州、医療現場に州兵派遣 ワクチン有効性低下の指摘も

2021/08/19 更新: 2021/08/19

米国では国民の過半数が新型コロナウイルス感染症ワクチンを接種したものの、変異種のデルタ株の出現などにより、感染者数は依然として高止まりしている。入院患者が過去最多を記録したオレゴン州では、緊迫した医療現場を支援するため、ケイト・ブラウン知事が13日、最大1,500人の州兵を病院に配備することを決定した。また、ワクチンの有効性が低下しているとの報告も出ている。

オレゴン州では8月10日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院患者数が過去最高の635人に達したことを受け、ブラウン知事は屋内でもマスクの着用を義務付けると発表した。ジョンズ・ホプキンス大学がまとめたデータによると、入院患者数は日ごとに増加し、8月13日には784人に達した。

8月20日には500人の部隊が初期配備され、州内の病院の物流、資機材の取り扱い、CCPウイルス検査の実施など、病院運営を支援する業務に当たっている。

ブラウン知事は声明のなかで、「250万人以上のオレゴン州民が新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種しました。しかし、今年の夏は多くの方が当初思い描いていたものとはまったくの別物になってしまいました。いらだたしいことに、デルタ型がすべてを変えてしまったという厳しい現実があります。デルタ型は非常に感染力が強いので、今すぐ対策を取らなければなりません」と述べた。

新たに出現したデルタ株により、新型コロナウイルス感染症は再び拡大の様相を呈している。米国疾病管理予防センター(CDC)の研究によると、8月1日から7日までの1週間に米国で発生した新型コロナウイルス感染症のうち、デルタ株が占める割合は97.4%になると推定されている。

最近の研究では、米国で最も広く使用されているモデルナ社製及びファイザー社製の新型コロナウイルス感染症ワクチンの有効性が、7月に入ってから大きく低下したことが明らかになっている。米国大手総合病院のメイヨー・クリニックとマサチューセッツ州のデータ分析会社nference社によると、7月にはモデルナ社製ワクチンの有効性は76%に低下し、ファイザー社のものは42%に急落したという。

CDCによると、8月12日の時点で、米国内の81%以上の郡で新型コロナウイルスの高いレベルの感染が報告されている。

(大紀元日本語編集部)