mRNAワクチン接種後の健康被害巡り研究会が要望書 実態調査や全面救済求める署名も開始

2026/04/18 更新: 2026/04/18

一般社団法人ワクチン問題研究会は2026年4月16日、新型コロナウイルスのmRNAワクチン接種後の健康被害を巡り、厚生労働相宛てに要望書を提出し、10万人を目標とするオンライン署名活動を始めた。研究会は、重篤症例の情報開示、全国規模の実態調査、被害者の全面救済に加え、国費執行の透明性と説明責任を国に求めている。

研究会によると、日本では医療機関からの自発報告に基づく副反応疑いが6万7千件超に上り、このうち重篤症例は9325件超、死亡症例は2302件に達している。国の予防接種健康被害救済制度では、新型コロナワクチンに関する認定件数が4年余りで9465件となり、このうち死亡認定は1069件に上った。研究会は、この認定件数が過去45年間の新型コロナ以外の全ワクチンの累計認定件数3522件の約2.7倍に当たるとして、異例の事態だと訴えている。

研究会はまた、診療現場で確認された重篤な15症例をリスト化し、国に提示したとしている。接種直後から全身の倦怠感や歩行困難、脳脊髄液減少症、間質性肺炎などを発症し、就労不能となって寝たきりや車椅子生活を余儀なくされている患者も含まれるという。一方で、救済制度の申請には長い時間と大きな負担がかかり、申請しても否認される例があるとして、多くの被害者が十分な救済を受けられていない現状を問題視している。

国費執行を巡っては、研究会がワクチン政策に伴う説明責任も追及している。会計検査院の報告によると、厚生労働省が約8億8200万回分のワクチンを確保した際、数量の算定根拠を十分に記載した資料がなく、客観的な検証ができなかったとされる。研究会は、廃棄されたワクチンによる損失総額が約6653億円に達したとして、被害者への補償額と合わせ、国民に対する詳細な説明を求めている。

新型コロナワクチンの副反応や健康被害を巡る救済や法的責任の追及は、海外でも社会的課題となっている。

米国では、疾病対策センター(CDC)の予防接種諮問委員会(ACIP)が、若年男性を中心とするmRNAワクチンによる心筋炎・心膜炎リスクの増加を認めた。

接種義務化を巡っては、連邦レベルで一般的な義務化は行われておらず、2021~2022年に一部の連邦職員や軍に導入された義務化は、裁判や政治論争の対象となった後、多くが撤回・終了した。国家予算や資金面では、2025年に保健福祉省(HHS)がmRNAワクチン関連契約の一部見直しや削減を発表し、これに対して国際的な公衆衛生団体が資金削減に反対する声明を出すなど、政策を巡る議論が続いている。

補償制度では、従来の国立ワクチン損害補償プログラム(VICP)に加え、新型コロナワクチンについては公衆衛生緊急事態下の特別枠組みであるCICPなどが適用されており、無過失型の補償制度とワクチンメーカーの法的責任保護を組み合わせた仕組みが運用されている。

カナダでは、2021年に創設された無過失型の補償制度VISPを通じ、重篤で生涯に影響する健康被害に補償が行われている。2025年12月時点で約3千件が医療審査に回され、252件が承認され、支払総額は2100万カナダドルを超えたとされる。

英国では、Vaccine Damage Payments Actに基づく補償制度VDPSがあり、一定以上の障害に対し一時金が支給される。ただ、新型コロナ関連の請求が2万件を超える一方、補償認定は約1%にとどまり、査定を受託した民間会社への支払いが補償額を上回る状況が批判されているという。

ドイツでは、BioNTechに対する損害賠償訴訟が始まっている。原告は接種後の心調律異常や認知障害感、疲労などを訴えており、欧州医薬品庁(EMA)やドイツ当局による安全性評価の妥当性が法廷で争点になっている。

フランスでは、医療事故補償国家事務所(ONIAM)を通じた補償が行われている。EUレベルでも、共同購入契約の下でのワクチン被害について、市民がメーカーに損害賠償を請求でき、条件付きで加盟国が費用を負担する枠組みがあるとされる。

各国では無過失型の補償制度を設けて被害救済を図る一方、認定のハードルの高さや、メーカーに対する直接の損害賠償訴訟の広がりなど、対応を巡る課題も浮き彫りになっている。

ワクチン問題研究会による要望書提出と署名活動は、日本でも、国策として進められたワクチン政策の負の側面に向き合い、重篤症例の全面公開と被害者救済に向けた制度の抜本的見直しを求める動きとして位置づけられる。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます
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