大紀元が入手した中国当局の内部文書によると、法輪功迫害機関「610弁公室」の責任者は、法輪功学習者への取り締まりでは、闘争心が足りず、仕事に対する考えが甘かったことを認めている。これは、中国共産党の法輪功迫害政策に正当性がなく、下層部の「610弁公室」の職員が弾圧に消極的であることを示しているとの分析がある。
この文書は、遼寧省鉄嶺市鉄嶺県政法委員会副書記で県「610弁公室」の所長である孫継剛が書いた反省文である。
孫は反省文の中で、「法輪功との闘争において、戦闘力と忍耐力を欠き、頑固分子の思想転向に十分な自信を持って取り組むことができなかった」と述べ、法輪功の宣伝資料の処分も徹底していなかったことを明らかにした。
また、自身の仕事ぶりについて「いい加減」で、「対立やトラブルを避けていた」と語った。
孫は反省文の中で、自ら関わったある法輪功事件では、法輪功学習者を処罰しただけで、思想転向に取り組まなかったと明かした。
例えば、2014年4月10日、孫は法輪功の真実を収録したDVDを配布したとして女性法輪功学習者2人を逮捕した。その後、10日間の拘留と罰金を科したが、トラブルを避けるために思想転向を強要しなかったという。
在米時事評論家の唐靖遠氏は、大紀元に「より多くの人々が法輪功の真実を知るにつれ、中国共産党の迫害政策はますます維持が困難になり、迫害に従事する公安の末端幹部の退屈感や責任逃れが目立つようになってきた」と語った。
法輪功学習者に思想の転向を迫る、いわゆる「転化率(転向率)」は、中国共産党の各級政府機関や監禁施設では、評価の指標となっている。大紀元が入手した鉄嶺県の『2015年県人民代表大会プロジェクトシステム』文書では、法輪功学習者の転向率の指標が設定されている。
文書によると、同県の610弁公室の任務の一つは、強制的に法輪功学習者に信仰を放棄させ、転向していない人に対しては「監視と圧力」を強化し、少なくとも50%の転向率を目標としている。
唐氏は「これは、中国共産党が法輪功学習者を強制的に転向させることが非常に困難であることを反映している」と述べた。「弾圧当初の『3カ月で法輪功を一掃する』という目標から、今では転向率50%の追求に変わり、中国共産党のいわゆる転向システム全体の失敗を事実上宣言している」と指摘した。
大紀元が最近入手した遼寧省の各級政法委員会の内部文書でも、法輪功学習者を転向させるための工作が頓挫しており、多数の法輪功学習者が転向していないことを認めている。そのため、当局は「転向工作の強化」を促す指示を出し続けている。
反省文の作成日は2014年8月25日。当時、習近平政権の反腐敗撲滅運動により、「中央610弁公室」のトップを含む多くの高官が更迭された。
米国に本部を置く国際NGO団体のフリーダム・ハウス(Freedom House)が2017年2月28日に発表した報告書によると、法輪功に対する厳しく広範な迫害は続いているが、一部の地域では緩和されている。迫害に積極的に関与していた周永康や薄熙来などの共産党幹部が投獄されたことや、法輪功学習者の真実を伝える活動により、一部の地域の政府関係者が迫害に参加することを抑止しているという。
法輪功(ファルンゴン)は気功修煉法であり、その著しい健康促進効果から、中国で学習者が急増した。中国政府の内部統計では、1999年に学習者数は7千万人以上、当時の共産党員数を超えた。1999年、当時の江沢民政権は弾圧を発令した。
(翻訳編集・王君宜)
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