韓国では22年の全国の国公立中学、高校の教員採用で、中国語担当が0人となった。1人も含まれていないのは24年ぶりのことだという。最近韓国内で若者を中心に広がっている中国への反感が原因とされている。
韓国の各市・道教育庁が8月末に発表した2022年度中等教員(中・高校教師)選抜予定公告によると、全国の中国語担当の選抜人員は「0人」だった。2020年度の43人、2021年度の33人に比べると急減している。
この結果は、韓国で続いてきた「中国語ブーム」とは対照的だ。中国の世界経済に対する影響力が強調され、韓国では中国語が一時、英語に次ぐ「第2外国語」として優遇されてきた。
韓国で最も影響力の大きい外国語教育機関である韓国外国語大学をはじめ多くの大学で中国語教育学科を新設し、中国の大学と提携を結ぶなど活発に交流されていた。韓国外国語大学のユ・ギファン入学処長は2016年中国語教育学科の新設にあたり、「第2外国語科目として中国語を導入する高校が増え、教員を養成する中国語教育科を今回新設した」と述べ、中国が影響力を拡大していく国際情勢の流れを反映したと説明していた。
しかし、最近、韓国内で若年層を中心に反中感情が高まり、ここ数年で韓国内での中国語の居場所が失われつつある。韓国で6月に行われた「外国に対する好感度」に関する世論調査によると、20〜30代の若い世代で中国(17.1%)は最下位を記録し日本(30.8%)や北朝鮮(25.3%)と比べ遥かに低い数値を示した。
匿名の中国語教師は韓国・朝鮮日報とのインタビューで、「生徒たちが見るユーチューブやSNSで中国との歴史問題、キムチの起源問題など中国に対する否定的なイメージが浮き彫りになり、高校で中国語の選択を嫌う雰囲気もある」と説明した。
「0人採用」の方針に、中国語教育業界には衝撃が走った。中国語教員を目指していた人々からは「中国語を選択した当初は、周りから『中国語は展望があっていい』という声が多かったが、今はその逆だ」との声が上がっている。
首都ソウルで中国語教室を運営して16年目になるキム・ジェハ氏(64)は「10年前は中国語を習おうとする人で塾がごった返していたが、今は小さな店レベル」、「かつては中国語さえできれば就職できた時もあったが、中国語が万能キーという認識が次第に消えつつあるようだ」と話した。
(編集・潤水)
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