中国、豪からの鉄鉱石輸入量は最高記録更新 経済報復が失敗

2021/09/09 更新: 2021/09/09

中国海関総署7日の発表によると、中国は8月、9749.2万トンの鉄鉱石と精鉱を輸入し、過去最高を記録した。前年同期比2.9%減だが、前月比10.2%増加した。ブルームバーグによると、豪州からの輸入量がその60%を占め、中国の最大の輸入先となった。

過去5カ月では豪州からの鉄鉱石輸入量の初の増加だ。豪中関係が冷え込んでいるなか、豪州の鉄鉱石輸出の増加は中国の報復措置の失敗を意味する。

鉄鉱石の旺盛な需要を背景に、7月31日までの1年間で中国への輸出額は194億豪ドルとなり、前年同期比72%増となった。

ジョシュ・フライデンバーグ豪財務長官は6日の公開演説で、豪経済を「標的」にしようとする中国政府の措置の危険性について警告する一方で、大麦、石炭、ワインの輸出制限などの強制に屈することはできないと主張する。

「私たちは、主権と基本的価値観を守るために確固たる姿勢を貫いてきた。そして、これからもそうしていく」と表明した。

同長官の談話によれば、中国の貿易制裁により、豪州から中国への輸出総額は6月までの1年間で約54億豪ドル(約4428億円)減少したが、同時期に、対象商品の他国への輸出は44億豪ドル(約3608億円)増加し、中国の制裁の影響は限定的だった。

昨年、豪政府は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の発生源をめぐって国際機関による独立調査の必要性を訴えた後、最大貿易相手国である中国との関係が悪化した。中国当局は、報復措置として、豪州産のワインやロブスター、石炭、牛肉、乳製品などを輸入制限の対象に指定した。

(翻訳編集・叶子)

 

関連特集: 外交