防衛省は15日、北朝鮮が同日発射したミサイル2発は日本の排他的経済水域(EEZ)のなかに落下したと、前回の発表を修正した。岸防衛相はミサイル発射について、「国連安保理決議に違反であり、国際社会の深刻な課題」であると表現した。北朝鮮のミサイルが日本のEEZ内に落下するのは2019年10月以来。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は16日、新型の「鉄道機動ミサイルシステム」の発射実験を行ったと発表した。今年編成された鉄道機動ミサイル連隊が実施したという。ミサイルは800キロ飛行し、北朝鮮東岸沖の標的に命中したと報じた。
今後の発射もほのめかした。今回は、この鉄道機動を使用したシステムの実用性を評価する一種の実証実験であり、「初めて行動に移された」という。鉄道機動ミサイル部隊の連隊を旅団規模に広げ、訓練を行う計画があると報じた。
この実験に立ちあった朝鮮労働党政治局常務委員で党書記の朴正天(パク・ジョンチョン)氏は、「このシステムを最大限に活用する戦術計画を着実に完成させる」と述べたという。
専門家は、今回使用された鉄道機動ミサイルは比較的安価で信頼性の高いものと分析している。米国科学者連盟のアダム・マウント上級研究員は、同システムのミサイルは、他国が発射前に追跡したり破壊したりするのは難しいと指摘した。
カーネギー国際平和財団のアンキット・パンダ上級研究員もまた、多様なミサイル運搬システムを北朝鮮が備えているとし、「費用対効果が低く、垂直統合された部隊よりもはるかに運用が複雑」とツイートした。
岸防衛相は北朝鮮の弾道ミサイル等の発射について「こうした状況を続けさせてはいけない。決して許してはならない。我々は今一度、日本が置かれている状況を、現実を直視すべき」と防衛力強化の必要性を強調した。
米国務省報道官は15日、北朝鮮のミサイル発射について、複数の国連安全保障理事会決議に違反しており、近隣諸国および国際社会に脅威を及ぼすと非難した。
(大紀元日本語編集部)
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