台湾の呉釗燮外交部長は9月15日、米ワシントンのシンクタンク、グローバル台湾インスティテュート(GTI)の年次シンポジウムで基調講演を行った。同氏は、国際社会における台湾の地政学的意義を強調し、「台湾は中国の太平洋進出を阻む『海上の砦』である」と述べた。
台湾と米国の関係に焦点を当てたオンラインシンポジウムには、アミ・ベラ米下院議員や元国務省東アジア・太平洋国務次官補デビッド・スティルウェル氏、安倍政権で国家安全保障局次長を務めた兼原信克氏も参加した。
呉氏は講演で、台湾は沖縄からフィリピンを結ぶ「第一列島線」において、戦略的に重要な位置を占めているとし、「航行の自由を確保する上で主要な役割を果たしている」と述べた。また、台湾海峡と南シナ海は、インド太平洋の平和と安定に不可欠だと強調した。
また呉氏は、中国は自治制度を備えた台湾を自国領土と主張し、その一党支配を強化していると指摘。中国は民主主義の価値に対する信頼を破壊する目的で偽情報を流布し、民主主義国への浸透を続けていると警告した。加えて、ルールに基づいた既存の国際システムを、中国共産党の都合に叶うよう作り替えようとしていると指摘した。
呉氏は、台湾はサイバー攻撃や「グレーゾーン」戦術、偽情報、統一戦線など、中国共産党のさまざまな脅威に立ち向かってきたと強調した。これらの経験を通して台湾は、「民主主義への脅威に対抗する様々な手段を構築してきた」と述べ、この情報を「他の民主主義国と共有したい」と述べた。最後に同氏は、台湾と米国の緊密な関係は「地域の平和、安定、繁栄の鍵」とし、積極的に手を取り合って協力していく姿勢であると述べた。
(翻訳編集・山中蓮夏)
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