中国山西省では10月2日から、連日の豪雨に見舞われ、大規模な洪水が発生した。15人が死亡するなど甚大な被害が出ているが、現地当局は9日後にはじめて洪水発生の第一報を出した。
洪水はお祝いムード一色の国慶節期間中に起きた。
台湾メディア「自由時報」によると、現地当局は当初から、情報発信をせずメディアの報道もなかった。被災者たちはTikTokやWeChatなどのSNSを頼りに、情報を入手していた。
洪水発生9日目の10月10日、同省政府が出した第一報によれば、死者15人、行方不明者3人、被災者175万人に達した。うち12万人が避難しており、1万7千棟あまりの家屋が倒壊した。
同省政府は12日、直接の経済損失は50.29億元(約900億円)、緊急支援金として5000万元(約9億円)を拠出すると表明した。被災者175万人の一人当たりの支援金は28.57元(約520円)の試算となる。
ネット上では、「そんな微々たる額では、なんの役にも立たない」と不満の声が上がっている。
中国では今年、各地で記録的な豪雨による水害が発生している。7月に河南省で起きた洪水により300人以上が死亡した。当時、洪水の発生をいち早く報道したBBCに、中国外務省報道官は記者会見で「フェイクニュース放送局」と連呼し、「中国を攻撃して中傷し、ジャーナリズムの基準を大きく逸脱している」と非難した。
(翻訳編集・叶子)
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