「中国共産党は打倒すべき野蛮な政権だ」。トランプ前米政権で大統領補佐官(通商担当)を務めたピーター・ナバロ(Peter Navarro)氏は2日、自身の新著『トランプ時代―米国の疫病年の日記(In Trump Time: A Journal of America’s Plague Year)』の発売前、大紀元の独占インタビューにこう述べた。
ナバロ氏はトランプ政権下でホワイトハウスの通商製造業政策局長を務め、政権任期内を通して務め上げた数少ない高官の一人だ。
ナバロ氏は在任中に毎日、日記をつけていたという。
彼は新著の中で、米国の対中政策やパンデミック、2020年の大統領選挙及び彼が収集した選挙不正に関する証拠などについて語っている。
「本はすでにアマゾンのベストセラーになっている。出版されるまでは極秘扱いだったが、出版社によると、公開前から20万部を超える驚異的な予約注文があった」とナバロ氏は大紀元に明かした。
注目された理由について、同氏は「米国民がトランプ政権の真実を知りたがっていることや労働者のために尽くした私の実績、本の内容に高い信頼を寄せているからだ」と推測した。
ナバロ氏は米国労働者の擁護者として、また中国の侵略に反対するタカ派として見なされている。
ナバロ氏はトランプ氏に尊敬の念を込めて同氏を「ボス」と呼んでいる。
「ボスは煙に巻かれたリ、嘘をついたり、あるいは考えを隠す人が嫌いだ」
「私はいつでもトランプ氏に自分の考えを率直に伝え、真実を伝えている」ため、トランプ政権で長く務めることができたという。
ナバロ氏は、「中国共産党は打倒すべき野蛮な政権」と率直に述べ、バイデン政権の対中宥和姿勢を批判した。
「バイデン氏の軟弱のせいで、中国が台湾問題で行動を起こす可能性が高まっている」「バイデン氏は中国に同情するさまざまな人物を起用している」と指摘し、これを「かつてないほどの危険な時だ」と危機感を示した。
「この本はドナルド・トランプ氏をホワイトハウスに戻すことのできる本だと信じている。いつになるかわからないが、正義を貫けば、いずれはそうなる」と確信しているという。
ナバロ氏は米政治専門サイトのポリティコ(Politico)と世論調査会社モーニング・コンサルタント(Morning Consult)が行った最近の世論調査を引用して、「米国民の35%が(2020年の)大統領選挙の結果を覆したいと望んでいる」とした。
米国労働者のために立ち上がる
ナバロ氏は国民に奉仕する「動機」について、「低所得のひとり親で育ったから、労働者には共感を覚える」と述べた。
また、「トランプ氏が成し遂げたのは、共和党を変えたことだ」と評した。
「共和党をウォール街と米国から仕事を奪ったグローバリストのエリートに奉仕する政党から、労働者に奉仕し、工場での雇用を大切にする政党」に変えたという。
ナバロ氏は自身が「トランプ共和党の党員」と自負している。ちっぽけな利益のために仕事を海外に売る「マコーネル共和党の党員」とは全く違うと考えている。
トランプ政権における自身の使命について、「米国製商品の購入や米国人の雇用」を推進することと、「仕事のチャンスを米国に回帰させ、大学教育を受けていない人々に中流階層のような裕福生活を送るチャンスを提供することだ」と述べた。
強硬になる一方の対中政策
中国の侵略から米国を守ることに関しては、「トランプ氏は最も強硬だった。そして、私がそんなトランプ氏のそばにいた」とナバロ氏は述べた。
同氏はトランプ政権下で始まった米中貿易戦の主要な立案者の一人でもある。
「私にできる最も重要なことは、中国が対米貿易で犯した経済的侵略における『七つの大罪(Seven Deadly Sins)』について暴いたことだ」とナバロ氏は述べた。
「七つの大罪」とは、中国による知的財産権の窃盗、技術の強制移転、サイバー攻撃、米企業を次々と倒産させたダンピング行為、国有企業への補助金給付、合成麻薬のフェンタニルの対米輸出、為替操作などだ。
「我々が中国の責任を追及したのは、経済的侵略だけが理由ではない。中国は本来ならば制御可能な中共ウイルス(新型コロナ)を使って私たちを攻撃したことも動機の一つだ」
「パンデミックは『票水増し(Stuff the Ballot Box)大戦略』のブースターだ」と同氏は考えている。
権力と未来に、真実を語る
主流メディアによるトランプ擁護者への弾圧について、ナバロ氏は「この本が出版された時、メディアはそろって支持の声を抹消するだろう」
「しかし、同書の発売前からの人気ぶりは、主流のエリートたちを驚かせたに違いない」
「人々はもう騙されることにうんざりしていて、正直な声と真実を求めている。エリートたちはそれがわかっていない」とナバロ氏は述べた。
トランプ第二次政権が誕生すれば、閣僚として再登板するかの問いに対して、同氏は「それは考えていない」と明言した。
「幼い頃に学んだ仏教の言葉に『欲望はすべての苦しみの根源』というものがある」
「自分の利益を考えた時、その時点ですでに戦いに負けた」とし、自身の使命はただ「真実を伝えることだ」と述べた。
「私を突き動かしたのは利益ではない。私の使命は中国共産党を倒し、米国の労働者を支援することだ」と同氏は語った。
(翻訳編集・李凌)
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