ロシアの有力日刊紙「コメルサント(Kommersant)」1日付によると、同国税関や治安当局は2億6000万ルーブル(約4億2000万円)相当の木材を中国に不正輸出した犯罪組織を摘発したと報じた。
税関当局者によると、犯罪組織は2018~21年まで、中国企業16社に木材を輸出したことが判明したという。
「同組織は密輸のため、木材取引や伐採に関する書類を偽造した」と別の税関職員が明かした。
報道によると、同犯罪組織の首謀者はすでに拘束され、容疑を認めている。
今回の摘発は、氷山の一角だという。
ロシアのニュースサイト「zab.ru」は10月9日付の報道で、ザバイカリスク地区のNGO組織が証拠写真とビデオを提示し、ロシアの森林(木材)が依然として驚くべき規模で中国に出荷され続けていると警告した。
地元住民は「ここはもうほとんど砂漠化している」と不満をあらわにしている。
ザバイカリスク地区では2019年だけでも10万立方メートルの木材が違法に伐採され、中国に密輸されたという。
2014年から、中国業者に伐採された禿げ山の写真や、大量の木材を積んで中国に向かう列車の動画がインターネットに掲載され、ロシア社会に衝撃を与えた。
ロシアメディアは、中国のハルビン税関からのデータを引用して、「ロシアの対中木材輸出が今年31%増加した」と報じた。今年に入ってから、中国はロシアからすでに4億8100万ドル(約550億円)の木材を輸入している。
プーチン大統領もこの事態を重くみて、10月30日にロシア連邦金融監視サービス(Rosfinmonitoring)の長官に、徹底的な調査と密輸に関わった地下銀行の取り締まりを命じた。「林業に隠れているごろつきを一掃する」
(翻訳編集・李凌)
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