安倍晋三元首相、自民党最大派閥「清和政策研究会」会長に就任 経済政策、外交安全保障を強調

2021/11/11 更新: 2021/11/11

自民党最大派閥の細田派清和政策研究会)の会長に安倍晋三元首相が就任した。11日、党本部で総会が開かれ、全会一致で決定した。安倍氏は同日、「次の世代に誇りある日本を引き継ぐためにともに力を尽くしていきたい」と述べ、決意を表明した。

清和研の会長だった細田博之・元官房長官の衆議院議長就任に伴い、安倍氏に白羽の矢が立った。10日、安倍氏が就任要請を受け入れたと報じられた。2012年、内閣総理大臣に就任する際に離脱して以来、9年ぶりの復帰となる。

安倍氏は「常に互いに協力し、助け合いながら自民党を支えてきた。時には激しい議論も交わしてきたが、それは日本のために働く使命感が貫かれていた。すばらしい伝統をこれからも守り続けていきたい」と述べた。

コロナ禍により先行きが見通せない不安を多くの国民が抱くなか、雇用を守り、新たな雇用を生み出す国家意思を示すべきとの考えを示した。

安倍氏が「就職氷河期のような想いは二度とさせない」「国民の皆さまに安心感を与えることが政治の責任ではないか」と語気を強めると、会場からは賛同の声が上がり、拍手が起こった。

景気を回復させるために、経済政策として30兆円を超える予算編成を行うべきとも訴えた。

安倍氏は「外交安全保障政策を進化させていく責任が政治にある」と述べ、積極的に取り組む姿勢を示した。

「公示された日に北朝鮮がミサイルを発射した。中国は近年、急速な軍事費の拡大を行い、台湾に対する軍事的な威圧を行っている。厳しい安全保障環境を直視することが私たちに求められている」。

安倍氏は最後に、「憲法改正は立党以来の党是である」と述べ、憲法改正への意欲を示した。

清和研は1962年、福田赳夫元首相が池田勇人元首相の「所得倍増計画」に異を唱えたことが起源となっている。名称の由来は『晋書』にある「政清人和」であり、清廉な政治は人民を穏やかにするという意味合いが込められている。清和研が「安倍派」になるのは安倍晋三元首相の父・晋太郎氏が1991年に会長を退いてから実に30年ぶり。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。
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