中国の複数の地方当局は、ウェブサイトの教職員求人情報に法輪功学習者は応募できないと明記した。米国在住の人権弁護士・呉紹平氏は大紀元の取材に対し、この条件設定は「憲法、教師法、就業促進法に違反」しており、人権侵害であると非難した。また、学習者は訴えを起こすことができると述べた。
たとえば、9月に発表された「2021年台安県の小‧中‧高等学校教員募集審査通知(第2次)」には、戸籍所在地の村委員会(コミュニティ)の公印捺印付き文書を提出し、法輪功を修めていないことを証明する必要があると書かれている。
7月には、秦皇島北戴河新区の教師募集の通知に「法輪功などのX宗教組織に参加したことのある者」は応募できないとある。同月、成都市新都区における小‧中学校、幼稚園教師の公開募集の知らせには「政治審査」欄に学習者の是非を記することが求められている。
人権派弁護士「単なる就職差別ではない」
米国在住の人権派弁護士‧呉紹平氏は大紀元の取材に対し、「法輪功学習者が応募できない」という教師の求人情報は「憲法、教師法、就業促進法に違反している」と指摘した。
同氏は、中国『憲法』第42条では「すべての国民が労働する権利と義務を有する」こと、第36条では「国民が宗教的信条の自由を有する」ことが書かれていると述べた。さらに『就業促進法』の第3条では「労働者が法に基づいて平等な就職権益を享受し、自らの職業を選択する権利を有する」ことを規定しており、民族や人種、性別、宗教的信仰などによる差別を受けないと定めている。
「これは単なる就職差別だけでなく、最も基本的な人権である『信仰の自由』を侵害している。法輪功学習者が教師になることを排除するのは、生存権に対する侵害だ」と指摘している。
「教師法で認められた資格を持ち、適切な学歴があれば教員になることができる。(個人の)信仰を理由に、教師を務める機会を奪うことはできない」
さらに、この求人条件設定は「中国共産党が言う『依法治国(法に基づいて国を治める)』が嘘であることを証明しており、重大な法律違反だ」と指摘した。
同氏はこのような求人情報が中国のウェブサイトに掲載されたことは、法輪功に対する「組織的な政治迫害」の現れだと述べ、迫害政策が続いていることを意味すると説明した。
また、法輪功学習者は法律に基づいて訴訟を起こすことができ、「これらの違法な求人情報の取り下げを要求することもできる」と語った。
教師が教室から追い出される
中国共産党政権は体制維持のために、教育現場を主な洗脳の舞台としてきた。このため、党のイデオロギーに染まったり宣伝したりすることを拒む教師は、迫害の主なターゲットになった。
米国在住の湖南省元小学校一級教師、法輪功学習者‧王福花氏は大紀元の取材に対し、中国で法輪功学習者の就職差別が行われていることについて「迫害の初期から中共が行っていた」と語った。
王氏は2000年5月、北京で法輪功の陳情をしたことで、同年6月に湖南省郴州市にある勤め先に解雇された。
王氏は北京の天安門警察署で残酷な拷問を受けた。「片手は腰から上、もう片方は肩から下に手錠をかけられた」「立たされたまま、警察官が時々パンチやビンタをしながら私の手を揺さぶりました。 振るほど手錠がきつくなる。 別の警察官が蹴り倒したけど、 構えて立つのを強いられました。 頭が上を向いていないとダメだと言われました」。
「手錠がきつくなればなるほど、痛みがひどくなる。言葉で説明きれないほどの辛さだった」。同時に、警察官は火のついたタバコを王氏の鼻の穴に押し込み「法輪功ではタバコを吸わないんだろう? 十分に吸わせてあげよう」と言ったという。
王氏の知る他の教師の法輪功学習者も、あらゆる迫害を受けてきた。例えば、「湖南省郴州市北湖区で幼稚園教諭をしていた范麗英氏は教室から追い出され、清掃員になった」。
また、雲南省楚雄高級技術学院の元教師である唐蕊氏は、法輪功の修煉をやめないために2年の不法懲役を受け、雲南省の第二女子監獄に投獄された。その期間中、学校から解雇された。
法輪大法情報センターの担当者・レヴィ・ブロウド(Levi Browde)氏は、大紀元の取材に対して「中国共産党は、学校のカリキュラムを通して子供や若者にプロパガンダ(嘘)を教え込んでいる。教師の迫害は、中国共産党が若者に嘘を見せつける手段である。党の洗脳に協力することを拒んだ教師は、仕事や自由、そして命まで失う可能性がある」と語った。
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