豪州シドニー大学が、中国製医療機器の購入を予定していることについて、豪情報機関はセキュリティ上の懸念を表明した。豪紙オーストラリアンが8日に報じた。
報道によると、シドニー大学は、同大学の公立教育病院であるロイヤル・ノースショア病院(Royal North Shore Hospital)で使用するPETスキャナーを上海聯影医療科技有限公司(Shanghai United Imaging Healthcare社、以下UIH社)から約1400万豪ドル(約11億7000万円)で購入する予定だ。
PETスキャナーはガンの早期発見に有効な検査方法とされている。
匿名の豪情報機関当局者は、「これらの機器はある意味、生物医療スパイの情報源だ」と警告した。AIを搭載した同機器を公立病院に導入すると、中国側はニューサウスウェールズ州の公衆医療データシステムにアクセス可能になるという。
豪情報機関は、シドニー大学の中国製PETスキャナー購入をめぐってすでにカレン・アンドリュース(Karen Andrews)豪内相に懸念を伝えた。だが、大学側は政府に対し、詳細を公開する用意はないという。
同国の外国関係法案(Foreign Relations Act)は、地方自治体や大学が外国政府と結んだ協定が国益を害すると判断された場合、政府は協定の締結を阻止できると規定した。
MRIやCT、PETスキャナーなどの医療機器を製造販売する中国の画像診断装置メーカーUIH社の最初の海外進出先は日本であり、薬機法の承認も得ている。
同社ホームページによると、同社機器は世界30カ国の病院に導入されている。
(翻訳編集・李凌)
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