ロイター通信によると、バイデン米大統領が9~10日までの日程でオンラインで主催した民主主義サミットでは、10日、台湾の唐鳳(オードリー・タン)政務委員(閣僚に相当)が発言した際、一時画像が遮られた。唐氏が挙げた世界地図に中国大陸と台湾が違う色で塗られていたことが原因だとみられる。米国務省は「うっかりミス(an honest mistake)」と意図的に画面を遮断したことを否定した。
唐政務委員は、台湾が民主主義の実現に成功を収めた体験を各国の首脳らと共有し、台湾は「常に権威主義体制に対抗する最前線にいる」と述べ、世界の自由・民主主義・人権の促進に重要な役割を担っていくと示した。
ロイター通信の報道では、同氏は10日の会議で世界地図を挙げて説明を行った。同地図は、南アフリカのNGO団体「シビカス(CIVICUS)」が各国の市民的権利の自由度に基づいて作成したものだ。そのなかで、台湾は「オープン的」と示す緑色に塗られている。中国大陸と北朝鮮などは「閉鎖的」とする赤色で塗りつぶされている。
情報筋によると、米政府の一部の高官がこの地図に驚き、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)の担当者が国務省に連絡したという。当日、唐政務委員が再び発言を行った時、画面には同氏の顔は映されず「台湾のデジタル担当相 オードリー・タン」だけが表示され、同氏の音声は出ていた。また、その後の免責説明において、米側は「このブロックで示された意見は個人的なもので、米政府の見方を代表していない」とした。
NSCは、同地図が台湾を別の国として示しているとし、地図はサミット開催前のリハーサルでは提示されなかったと不満を示しているという。
ホワイトハウスは、米政府が110の国と地域の首脳らを招いて開催した今回の国際会議で、この地図が原因で、米政府が台湾が中国の一部かどうかについて明確な態度を示したという誤解を与える恐れがあると不安になっているという。
米政府は、今までこの問題について、明確な立場を示したことがない。
国務省は声明で、映像を共有する際に「混乱」が起き、唐氏の画面が消えたと説明した。
情報筋は、米政府内の「過剰な反応」だと指摘した。
(翻訳編集・張哲)
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