中国ではこのほど、上海市楊浦区で政府幹部らを相手にする集団売春・性接待「小紅楼」事件がネット上で注目されている。上海市の政界に詳しい情報筋は、市内には「小紅楼」のような市や最高指導部の高官にサービスを提供する大規模拠点が10カ所以上あると話した。
事件の主犯である趙富強(20年12月に猶予付きの死刑確定、48)は2014年ごろ、楊浦区役所の近くにある7階建てビルを購入した。ここを拠点に、暴力、脅迫、詐欺、強姦、監禁などの手段で数多くの女性を支配した。女性らに市・区や国有企業の幹部などへの売春、性接待させ、その見返りとしてビジネス上の便宜を受けた。赤いレンガが貼られているその外観から、ビルは「小紅楼」と呼ばれていた。
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「大紅楼は10カ所以上」
上海市政界をよく知る情報筋は、大紀元の取材に対して、「趙富強の小紅楼のような、政府高官らに違法な性サービスを提供する会員制クラブは多くある。なかに、規模がより大きく高級な『大紅楼』もある。少なくとも10カ所はある」と話した。
情報筋は、「小紅楼」は主に楊浦区政府の下級幹部を相手にしていると話した。「この程度の店は上海にたくさんある。上海の政界では、趙の小紅楼は取るに足らない話だ」とした。
「以前に行ったことのある大紅楼は、陳良宇(元上海市党委員会書記、元党中央政治局委員)がそこの常連客だった。市政府の他の高官もよく利用していた。中国人の売春婦だけでなく、ロシア人の売春婦も多くいる。さらに規模の大きい『大紅楼』は、正国級(国家主席や党中央政治局常務委員に相当)や副国級(国家副主席や党中央政治局委員に相当)の高官だけにサービスを提供している」
情報筋によると、一部の「大紅楼」は、上海市のゴルフクラブ内や、松江区や青浦区などの別荘地に構えている。
「高官1人がやってくると、周辺道路は封鎖される。大紅楼は一般客を受け入れていない。大紅楼には大きなプールやサウナなどが備えられ、大紅楼の経営者らは全国から容姿端麗な女性を集めている」
米国の中国語誌「北京の春」の陳維健編集長は「上海だけでなく、全国各地にこのような場所はある。各地の政府や警察当局は小紅楼を庇っている」との見方を示した。
情報筋は、趙富強が摘発されたのは「その後ろ盾が、政府当局の中で下級幹部だったからだ」とした。
「中国では、実業家や大企業の上級幹部はほぼ全員、政府高官とつながっている。彼らはそれぞれ専用のクラブを利用している。性的賄賂、性接待を行うのは売春婦に限らず、有名な女優や女性歌手もいる」
「経営者は女優らに、幹部と陪席してほしいとオファーする。1人に100万元(約1792万円)、200万元(約3585万円)を支払う。売春でないように見えるが、実際には売春だ。経営者らは事前に、高官に女優や女性歌手が陪席することを伝える。高官が許可すると、女優がやってくるのだ」
情報筋は、現在、中国国民は趙富強の小紅楼だけに注目しているが、「この事件より、実際はもっと深刻なことが起きている」と嘆いた。
「中国共産党の幹部は、男女に関係なく、愛人を囲い、買春もしている。これが、中国共産党員、中国政界の本当の姿だ」
(翻訳編集・張哲)
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