中国国内で唯一作動する外国企業提供の検索エンジン「ビング(Bing)」は17日、オートサジェスト機能の30日間停止を中国当局に命じられたと発表した。
声明によると、ビングは「グローバルな検索プラットフォームとして、法の支配とユーザーの情報へのアクセス権を尊重し、法律を遵守しながら必要な情報を最大限に探し出せるようにしていく」という。ビングはIT大手マイクロソフトが2009年5月28日に始めた検索エンジンサービス。
中国の一部のユーザーは16日、ビングのアクセス障害を報告した。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙は17日、北京市、広東省、湖北省、上海市、四川省など少なくとも9つの省・市で同様の事案が起きていると伝えた。
こうした中国当局の検閲は中国国内のみならず海外にも延伸している。ビングは米国での検索で、六四天安門事件発生時に戦車の車列前に立ちはだかる青年「タンクマン」が表示されなくなったとの報告がある。ビングを提供するマイクロソフトはこの非表示について「偶発的な人為的エラー」だと説明した。
ビングに対する部分的な規制は、今後の中国共産党による海外のIT企業への締め付け強化を示唆する。その一例として、マイクロソフトが提供する世界最大級のビジネスSNS「リンクトイン(LinkedIn)」の中国運営の年内終了発表が挙げられる。
マイクロソフトは同SNSのサービス終了について「中国での運営環境が著しく悪化しており、(当局による)コンプライアンスの要請が拡大している」ためだと述べた。
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