中国共産党は15、16日の日程で、司法や治安などに関する政策を決める中央政法工作会議を開いた。習近平国家主席の側近である陳一新・中央政法委員会秘書長は会議で、今年の当局の政法政策における最優先事項は、秋の党大会が順調に開催されることであると強調した。習氏は5年に1度開かれる今回の党大会で3期目の続投を狙う。
中国メディアによると、陳氏は会議で、今年の最大任務は「二十大(党大会の開催)を護衛する」ことであり、「安定を第一にし、安定を維持するための各措置を次の段階へ引き上げていく」と指示した。
また、陳氏は「外国勢力」による「重大な脅威」で、国内の政法活動は「複雑な情勢に直面している」と示し、「政治的安全保障リスクは重大な懸念材料である」との認識を示した。同氏は組織的犯罪防止法の施行を強化するよう幹部らに命じた。
中国共産党は秋に第20回全国代表大会(党大会、二十大)を控える。通例であれば、2期目を終えた習主席は次の指導者にバトンを渡し、政界の第一線から退かなければならない。しかし、習当局は2018年に憲法改正を行い、国家主席の任期を「2期10年まで」とする規制を撤廃し、長期政権を可能にした。
時事評論家の郝平氏は大紀元中国語版への寄稿で、「今年の党大会は、習近平氏の再任のためにあると見て取れる」と指摘した。
いっぽう、「党大会の開催を『全力で護衛する』という陳一新氏の発言は、習氏の続投がまだ不確定であることを示唆した」と郝氏は示し、「習氏は引き続き、江沢民派をはじめとする抵抗勢力に直面している」と指摘。
習政権は昨年、国内の政法システムにおける反腐敗キャンペーンを強化し、公安部(省)の孫力軍前次官を含む高官らを摘発した。当局は孫被告について、「政治的野心が極端に膨らんでいた」「組織を作り、政府の主要部門を支配しようとしていた」などと痛烈に批判した。
今月14日、収賄罪、違法に拳銃所持などの罪で起訴された孫力軍被告の公判は、吉林省長春市中級人民法院(地裁)で開かれた。
豪州在住の中国人法学者、袁紅氷氏は情報筋の話を引用し、「孫力軍被告の家に小規模な武器庫があった」と大紀元に語った。
「習近平氏が過去2年間、警察部門に対して締めつけを強化したのは、習氏に対する暗殺事件が多発していたためだ。地方警察当局のトップのなかには、自分の派閥勢力が習氏に粛清されたことを恨んでいる人が多い」
郝、袁の両氏は、当局が孫力軍被告を拘束し失脚させたのは、同被告が習近平氏へのクーデターに関与したと認識したためだと示した。
(翻訳編集・張哲)
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