海底火山の噴火と津波の被害に見舞われた南太平洋の島国トンガに、日本が援助した火山灰除去用具などの緊急援助物資が到着した。同国のフアカヴァメイリク首相は「まさかの時の友こそ真の友、という言葉はまさしくその通り」と述べ、謝意を表明した。
中共ウイルス(新型コロナウイルス)感染症対策のため、自衛隊員は非接触で物資を受け渡した。隊員たちは両国の国旗や「TOMODACHI(トモダチ)」などの言葉を防護服に描き、支援への想いを伝えた。トンガの空港では自衛隊の輸送機を歓迎するため「ありがとう日本」と書かれた横断幕が掲げられた。
ウトイカマヌ外務大臣は日本の支援に対し、「日本の政府関係者、自衛隊の皆さん、国民の皆さんにどうか宜しくお伝えください。トンガではインターネットも国際電話もつながらず、国外との連絡は全くとれません。そんな時に、こんなにも早く救援物資を送っていただけることは、本当にありがたく存じます」とコメントした。
防衛省は「東日本大震災の際に心温まる支援をしてくれたトンガの人々のために、今回は防衛省・自衛隊が全力で取り組む番」とコメントし、トンガを含む太平洋島嶼国への関わりを強調した。
国際協力機構(JICA)によるトンガ支援物資の第一弾の飲用水3トンはオーストラリア経由で22日に到着。オーストラリアのアンブリー空軍空港での積み下ろしの際には、ワラビーが見つめる様子も見られた。JICAによると支援物資第二弾は火山灰を除去するための高圧洗浄機やスコップ、一輪車のほか、ポリタンク、ゴーグル、マスク、作業用手袋、リヤカーなど。
24日には海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」(全長178メートル)が支援物資などを積み込み呉基地(広島県呉市)を出港。海自および陸自の隊員計約300人が乗船し現地の復興を支援する。
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