「強い衝撃を受けている」林外相、談話でロシア軍を強く非難 ウクライナ外相とも会談

2022/04/04 更新: 2022/04/04

ポーランド訪問中の林芳正外相は4日、ウクライナにおけるロシア軍の行動を非難する談話を発表した。市民が犠牲になったことについて「強い衝撃を受けている」とし、「重大な国際人道法違反」だと指摘した。日本への渡航を希望するウクライナ避難民については、帰国便の政府専用機に同乗させる可能性について「最後まで追求するが現時点では引き続き調整中」だと述べた。

林外相は岸田文雄首相の特使として5日まで滞在し、要人との会談や避難所の視察などを行う。2日にはポーランド訪問中のウクライナのクレバ外相と会談、現地の状況について説明を受け、日本の子供が描いた絵画をプレゼントした。強力な対露制裁や支援について謝意を受けたという。

林氏はまた、ウクライナからの避難民が身を寄せる避難所を訪問したほか、国境警備隊から説明を受けた。最近は避難民の数が減り、ウクライナに移動する人もいるという。避難所では食事や子供の玩具などが用意され、最前線の「暖かい支援の提供を目にした」と述べた。

現地時間4日にはポーランドのドゥダ大統領、モラビエツキ首相、ラウ外相と会談を行う。3日の記者会見で林外相は「この2日間、自分たちの目で確かめて話を聞いてきた現場の状況も踏まえて、意見交換を行い、今後の日本政府のウクライナ避難民支援の取り組みに活かしていきたい」と語った。

林氏に同行している津島法務副大臣は、「温かい食事、暖かい場所、そして子供たちが気兼ねなく遊べる場所」を用意するほか、孤児や障害を持つ人々への人道的支援が重要だと述べた。避難民の日本における身元引受人については「日本に親族や知人がいない方でも受け入れ、必要な支援をしていく」との方針を示した。

4日、キーウ郊外のブチャにおける民間人に対する残虐行為が明らかになったことを受けて、外務大臣談話が発表された。

談話では「ロシア軍の行為によりウクライナにおいて多くの市民が犠牲になっていることを極めて深刻に受け止め、強い衝撃を受けています。こうした無辜の民間人の殺害は、重大な国際人道法違反であり、断じて許されず、厳しく非難します」とし、真相究明と責任追求を行なっていく考えを示した。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。
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