岸田文雄首相は14日から15日にかけて沖縄を訪問し、首里城(那覇市)の復元工事や戦没者墓苑、米軍普天間飛行場(宜野湾市)などを視察した。記者会見では、本土復帰50年の節目を迎える沖縄を「万国津梁(しんりょう)の地」と例え、発展の潜在性に期待を寄せた。また首里城正殿の今年11月に建築を着工し、令和8年秋の完成を目指すことを明らかにした。
岸田氏は14日、首相就任後初めて国立戦没者墓苑に参拝・献花し、戦死者を悼んだ。「沖縄は先の大戦において悲惨な地上戦の舞台となり、県民の皆様方は筆舌に尽くしがたい大変な苦難を経験された。戦後復帰まで長い年月を要し、多大な御苦労を経験された。こうした歴史は決して忘れてはならないものであるということを改めて感じた」と所感を述べた。
首相は同日、首里城公園を視察した。2年前に焼失した首里城の復元について、11月に正殿の本体工事に着工すること、15日から復帰50周年の記念金貨および銀貨の販売受付を開始すると述べた。記念硬貨には首里城ほか沖縄特有の動植物がデザインされている。
基地反対のデモ行進については「未来に向けて沖縄の明るい将来を願う強い思いの表れだと思う」とし、引き続き基地負担軽減に向けて県と協力していく考えを示した。
本土復帰以降、沖縄の「県内総生産が全国を上回る伸びを見せるなど、沖縄の経済は成長を続けてきた」と指摘。さらに、「沖縄は今なお成長を続けているアジアの玄関口であるという地理的な特性を持っている」ことや日本一高い出生率といった優位性・潜在力があると首相は強調した。
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