中国で導入されている行動追跡や健康状態確認アプリ「健康コード」は、抗議活動を事前に防ぎ、抗議者の行動を把握するための当局のツールとして悪用されている。
中国当局は、コロナ対策として導入した、市民の行動追跡や健康状態を確認するためのアプリ「健康コード」を抗議活動阻止に悪用していることがわかった。最近、河南省で銀行預金が引き出せなくなった市民はデモ開催地周辺に到着後、健康コードが突如、外出禁止の「赤」に変わったという。
健康コードには緑、黄、赤の3段階がある。緑色の場合、感染リスクが低く公共施設などに自由に出入りできる。赤色の場合は、外出や移動を禁止されるうえ、強制的に隔離施設に連行される可能性がある。
河南省の一部の地銀は4月中旬以降、相次いで全預金を凍結した。多くの預金者は地銀の本部を構える同省の鄭州市と開封市に集まり、抗議活動を行っている。しかし、他の地方に住む預金者が河南省に入った直後、健康コードが赤になった。
内モンゴル自治区に住む預金者の1人、林穎さんは14日、「12日夜、鄭州市に向かおうとした時、健康コードが緑から赤になった」と大紀元に語った。他の3人も同じ状況だったという。
林さんらはSNS上で、全国各地の預金者と情報を交換しており「各地の預金者の健康コードが全部、赤になった」と話した。さらに、鄭州市駅に着いた預金者は直ちに地元警察に連行され、ホテルなどに閉じ込められているとの情報を得た。
同氏は、中国政府は健康コードを利用して抗議活動を抑え込もうとしていると批判した。「健康コードが赤であれば、どこにも行けない。たとえ目的地にたどり着いたとしても、即拘束される」
林さんによると、河南省の地銀などは出金停止について説明を行っておらず、事態打開の方法も示していない。各地の預金者は強い不満と不安を募らせている。
中国メディアなどによると、複数の地銀が少なくとも397億元(約7974億円)を凍結し、約40万人が預金を引き出せなくなっている。
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