米トランプ前政権で国家安全保障担当副補佐官を務めたマシュー・ポッティンガー氏はこのほど、中国の習近平国家主席がトランプ氏らの戦略によって「混乱していた」と話した。
同氏は米メディア「ワイヤー・チャイナ(Wire China)」のインタビューで、トランプ前大統領があの手この手で全体主義体制の国の「独裁者」と良い関係を築きたかったというのは世論の「誤解」であると述べた。
同氏によると、トランプ氏は、独裁政権において唯一の政策決定者は独裁者本人であり、その下にいる幹部ではないと考えていた。このため、独裁者本人と直に意見交換できるルートを確保することが重要だとトランプ氏は認識していた。その一方で、トランプ氏は財務省などを通じて、これらの独裁政権に対し経済的・軍事的に圧力を強化していた。
米中関係も同様に、トランプ氏と習近平氏の間で、対面での首脳会談のほかに、頻繁に電話会談が行われ、互いに書簡を送りあったが、米企業への技術窃盗などを巡り米国の対中制裁措置はますます厳しくなっていった。
トランプ政権の真の狙いを掴めない習近平氏は「困惑していた」と、ポッティンガー氏は述べた。
「習氏は米国がもうこれ以上関税を課さないだろうと予想していただけに、トランプ大統領の決定には驚かされた。トランプ大統領は対中関税を続けていただけではなく、一部の関税措置をさらに重くしたのである」
ポッティンガー氏は習近平政権に対する認識を深めるにつれ、「習氏の一部の発言は国内に向けたものだとわかった。すなわち(中国共産党)中央委員会が念頭にある」と語った。
ポッティンガー氏はトランプ政権の対露政策にも言及した。トランプ氏はロシアのプーチン大統領を公に称賛したことがあるが、オバマ政権などと比べてより強硬な対露姿勢をとっていた。
トランプ前政権は2017年末、ウクライナへの武器供与を初めて承認した。
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