中国でこのほど、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の新たな変異株「BA.5」の感染が急拡大している。厳格な感染対策で中国経済が急激に失速する中、官製メディアは「ゼロコロナ政策」について「最も経済的、効果的だ」とアピールしたが、批判が殺到した。
ロイター通信によると、金融大手の野村証券は18日に発表したリサーチ報告の中で、現在、中国の41の都市が全面的または部分的に封鎖されている。移動を制限された住民の数は2億6400万人。中国国内総生産(GDP)の22.8%に影響を及ぼしている。
3月末から約2カ月間封鎖された上海市の市当局は、9つの地区で19日から3日間、大規模なPCR検査を行うと発表した。
首都・北京市に隣接する天津市も18日、全市民1300万人に対して同日夜から新たなPCR検査を実施すると公表した。
厳しい「ゼロコロナ」政策により、中国経済は急速に悪化している。
中国国家統計局が15日に発表した第2四半期(4~6月期)のGDP伸び率は、前年同期比0.4%にとどまった。経済の中心地である上海市は同13.7%減と大幅にマイナスに転じた。都市封鎖の長期化による経済への打撃が鮮明となった。
いっぽう、中国共産党機関紙・人民日報は14日の社説で「われわれの感染対策は最も経済的で、効果が最も良い。『ゼロコロナ』という総方針を揺るぎなく堅持する」と主張した。
国営新華社通信は15日、習近平氏が新疆ウイグル自治区を訪ねた際、地方政府の幹部らに対し、感染の急拡大を防ぐために「ゼロコロナ」政策の続行を強く求めたと報じた。
中国メディア各社は人民日報の社説を転載して報じたが、ネット上では「『最も経済的だ』と証明する証拠はどこにある?」「過去2年間の失業者の数、倒産企業の数、PCR検査に関する費用の統計を開示して」「感染対策のせいで、仕事も食料もなくなった」などと非難の声が殺到した。
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