台湾の蔡英文総統は19日、米国のマーク・エスパー前国防長官と安全保障や経済発展について会談した。エスパー氏は個人の意見とした上で、長らく続いた「一つの中国」政策はすでに無用であるとし、米国は「あいまい戦略」から脱却すべきと述べた。
エスパー氏は、ロシアによるウクライナ侵攻は世界が直面する大きな問題であるとしつつ、民主主義に対する最大の脅威は、法の支配に基づく秩序を破壊する中国であると指摘した。
台湾は中国共産党の脅威に立ち向かう最前線に位置しており、西側諸国は積極的に支援すべきだと呼びかけた。米国の政策決定者の間では、「中国は戦略的な競争相手であり、台湾は支援し守るべき良き友である」とのコンセンサスがあると言及した。
エスパー氏は個人の意見とした上で、長らく続いた「一つの中国」政策はすでに無用であるとし、米国は「あいまい戦略」から脱却すべきと述べた。米国国内に対しては国防予算の大幅な増額や徴兵期間の延長といった台湾の努力を伝えるべきだと述べた。
蔡英文総統は、台湾を支持するエスパー氏の訪問を歓迎するとともに、米国の台湾に対する長年の支持に感謝の意を表した。
さらに、台湾は欧州諸国との連携を推進しており、関係を深め、グローバルな民主主義パートナーの連帯に貢献したいと考えていると指摘した。
エスパー氏は2019年7月から約1年4カ月間、国防長官を務めた。今回は米国のシンクタンク「アトランティック・カウンシル(大西洋評議会)」のメンバーとともに訪台し、21日まで滞在する。
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