米国では、TikTokによる中国への情報流出の懸念が高まっている。ジョシュ・ホーリー上院議員は24日、中国動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」米国内で禁止する法案を提出すると述べた。
ホーリー氏は24日、「TikTokは、米国人の生活に入り込む中国のバックドアだ。子供達のプライバシーだけでなく、精神面でも健康を脅かしている」とツイート。「全国的に禁止すべきだ」と法案提出の意向を示した。
同氏は、2020年にも国家安全保障上の懸念からTikTokを政府所有端末で使用することを禁止する法案を提出、昨年12月に成立している。当時、政府の機密データを預かる連邦職員が政府所有端末からアプリを使うことを禁じ、「中国共産党の責任を追及すべき」と訴えていた。
中国では国家情報法などに基づき、中国企業は要請に応じて当局にデータを提供することを義務付けられている。バーンズ米中央情報局(CIA)長官も昨年12月、米公共放送(PSB)とのインタビューで「TikTokの親会社は中国企業であり、中国政府は米国の多くの利用者データを抽出したり、動画の内容を指導部の利益に合うようにしたりできる」と警鐘を鳴らしていた。
いっぽう、TikTokの広報担当者はエポックタイムズの取材に対して「TikTokの全面禁止を求めるホーリー上院議員は、国家安全保障やデータセキュリティ、プライバシー、オンライン被害といった幅広い業界の問題への断片的なアプローチを取っている」と強調。
「一つのサービスを禁止すれば、懸念する問題が解決されたり、米国民が守られたりすると見せかけるのではなく、それらの問題全般に取り組むことに精力を注ぐことを望む」と述べた。
ホーリー氏は法案の提出時期については明らかにしていない。エポックタイムズは、ホーリー氏の事務所にさらなるコメントを求めている。
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