[東京 16日 ロイター] – 岸田文雄首相は19日から始まる主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)を前にNHKのインタビューに答え、中国に対して各国が共有する懸念を率直に伝える場にする考えを明らかにした。対ロシア制裁についても第三国を通じた迂回の動きを封じ、実効性を高める取り組みを議論すると表明した。
岸田首相は、存在感を増す中国に対してG7メンバー間で温度差があることを認めた上で、課題や懸案に一致して対応・連携していくことを確認し、「中国に対してメッセージを発していくことになる」と述べた。「東シナ海、南シナ海などにおいて、力による一方的な現状変更が起きている」などとし、ウクライナの状況は東アジアでも起きうるとの認識を改めて示した。
その上で岸田首相は、今回のサミットを欧米各国がアジア、インド太平洋地域にしっかり関与してもらう手がかりにしたいと語った。中国が強硬姿勢を強める台湾情勢については、「対話により平和的に解決されるべき」という日本の立場を改めて説明。今回のサミットでも、G7としてこうしたメッセージを打ち出す考えを示した。
自民党と公明党が進める武器輸出のルール見直し協議に絡み、ウクライナに防衛装備を供与する可能性について問われると、「丁寧に議論を行った上で、日本としての考えを整理しなければならないと思っている」と述べるにとどめた。
(杉山健太郎 編集:久保信博)
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