米上院の共和党議員らは5月30日、中国を念頭にアプリの開発・所有国を表示することをアプリストアに義務付ける法案を提出した。
法案はティム・スコット議員やロジャー・ウィッカー議員が提出した。国家安全保障や子供への悪影響を避けるため、アプリの開発・所有国の表示を義務付けるほか、中国などの敵対的国家のアプリをフィルタリングする機能をユーザーに提供するようアプリストアに求める。
また、開発者が所属国に関する十分な情報をアプリストアに提供しない場合、対象アプリをアプリストアから削除することも義務付けられる。
スコット氏は声明で「(中国のような)敵対的国家が所有するアプリからデータとセキュリティを守るため、米国人は十分な情報を得た上で(アプリ利用の)意思決定ができるようにするべきだ」と訴えた。
ウィッカー氏も「敵対勢力は、アプリを通しての情報収集などあらゆる手段を駆使して、米国より優位に立つことを狙っている」と指摘。「アプリストアの透明性を強化し、リスクを軽減するための対策を講じる必要がある」と強調した。
3月の米国アプリストアランキングのトップ5のうち4つは中国製アプリが占めた。安全保障上の脅威などとして規制の動きが強まる中国動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」や個人情報を窃取していたことが明らかになった激安アパレルサイト「SHEIN(シーイン)」などが含まれている。
また、議員らは中国が中国企業にデータ提供を義務付ける国家情報法を施行していることを挙げ、早急な対応が求められていると訴えた。
現在、米国では中国製アプリを排除する動きが進む。5月にはモンタナ州がTikTokの州内での提供を完全に禁止する法案を成立させた。同州のジアンフォルテ知事は声明で「モンタナ州の個人情報が中国共産党に収集されないように保護するため」と意義を強調していた。
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