米国のマイク・ギャラガー下院議員とジョニ・エルンスト上院議員は1日、中国などの組織に支払われた政府助成金を追跡する法案を発表した。
法案は中国とロシアの組織に支払われた政府助成金の全額を追跡し、一般に公開することを政府に義務づける。中国共産党の軍事的進歩などに使われることがないよう税金の透明性を高め、政府に説明責任を負わせる。
エルンスト氏と非営利団体「オープン・ザ・ブックス」が発表した報告書によれば、過去5年間に13億ドル以上の米国の税金がロシアと中国に送られていた。内訳は4億9000万ドル以上が中国の団体に、8億7000万ドルがロシアの団体に支払わせていたが、金額は総額を反映していない可能性が高いという。
ギャラガー氏は声明で「法案は連邦ドルの使い方に透明性をもたらし、政府に責任を持たせ、税金が敵対的国家を支援するのに使われることを防ぐ」と強調した。
エルンスト氏も世界の超大国を狙う中国やロシアに送られた税金について「ワシントンの誰も説明できないことは重大な問題だ」と指摘。税金の透明性と説明責任を確立し「国民が苦労して稼いだ税金を守る」と述べた。
報告書は「税金で賄われたロシアと中国における無意味なプロジェクト」の事例として、コウモリのコロナウイルスや遺伝子組み換えマウスの実験のため、中国の武漢ウイルス研究所に200万ドルが提供されたことや、2022年に米国から制裁を受けたロシアの健康保険会社に470万ドルを支払われたことなどを挙げている。
米下院で中国問題を扱う特別委員会の委員長を務めるギャラガー氏は、税金が間接的に中国に渡ることにも懸念を示している。同氏は先月、米アルフレッド大学が国防総省から極超音速兵器研究の助成金を受けながら中国の大学との継続的な研究提携をしているとして、追加情報の開示を求める書簡をオースティン国防長官らに送った。
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