[香港 30日 ロイター] – 香港の民主派オンラインラジオ「民間電台(Citizens’ Radio)」は30日、最後の番組を放送し、約20年の歴史に幕を閉じた。創設者は、銀行口座凍結で寄付金が受け取れなくなったと説明、香港は危険な政治状況に直面していると懸念を示した。
民間電台は、民主派活動家の曾健成氏が2005年に立ち上げた広東語の放送局。当局を批判する辛らつなトーク番組や報道の自由を訴える活動で安定した支持を得てきた。
曾氏は、最後の放送を前に記者団に「香港の政治は崖のような変化に直面している。たとえ番組にゲストを招いたとしても(超えてはならない)レッドラインがあらゆるところに存在し、自由に発言することはできない」と述べた。
また、恒生銀行がさまざまな理由を使って民間電台の口座を凍結したため、寄付金の受け取りや資金の引き出しが不可能になったとし「財源は限られており、8月までの家賃しか支払えない」と説明した。
一方、民間電台の司会者、ジミー・パン氏は「マイクを切ったからといってもう発言できないということではない」と強調した。
香港では2020年に反中的な動きを取り締まる香港国家安全維持法(国安法)が施行されて以降、 民主派の日刊紙・「蘋果日報(アップル・デイリー)」や「立場新聞(スタンド・ニュース)」などが相次いで廃刊に追い込まれている。
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