中国本土では、中国共産党(中共)が政治至上主義のために経済発展を犠牲にし、若者へのプレッシャーが高まっている。
以前、現代中国の若者たちに「躺平(寝そべり)」「擺爛(努力しても無駄なので諦める)」という風潮が流行していることが話題となっていた。しかし今、「恋愛しない」「結婚しない」「家を買わない」「子供を産まない」という「四不(4ない)」が流行っているという。
都会で仕事をしている中国の若者は、激しい競争の他、仕事時間が長く、賃金が少ない。彼らは経済能力がなく、消費せず、友人と遊ばず、社会活動もせず、結婚と子供、住宅購入などなど、どれもしようと思わない。
若者たちの目には、結婚や子供、は幸福感をもたらすものではなく、むしろ人生の重荷を背負うものと映るらしい。 中国大都市の住宅ローンは、若者を生涯苦しめるのに十分な額であり、果てしなく続く残業は余暇のほとんどすべてを奪ってしまう。
これだけなら大した問題ではない。一生懸命に働いても時勢の不確実性からは逃れられず、運命は決して自分の手には負えないようで、人々は自分の惨めな人生をニラに例える。
深センに住む36歳の男性、高さんはまだ結婚していない。「若者がこうなりたいと思っているのではなく、環境がこうなのであって、個人の努力に左右されるものではない」と高さんは説明。
中共民政部が6月に発表したデータによると、昨年、中国本土での婚姻組数は683万3千組で、1986年以来過去最低を記録した。2022年までに中国の新生児数は6年連続で激減し、2022年の新生児数はわずか956万人と60年ぶりの低水準に落ち込み、今年は800万人を超えないと予想されている。
希望が見えない中国の若者たち
「現在の若者たちはもう騙されない。自分自身でさえも生活が成り立っていない。もし子供がいたら、どうやって面倒を見るのだろう」と内モンゴル自治区フフホト市の馬瑞さんはエポックタイムズに語った。
中国本土の元新聞記者である林舟さん(仮名)は、エポックタイムズに対して次のように語っている。「中国経済はすでに不況に陥っており、特に若者の失業問題は深刻である。頑張ろうとしてもできない、これが中国の現実であり、とても悲しいことだ。『4ない青年』は寝そべりの一種である。 このようなメンタリティは、これまでの生活態度を変えてしまったので、何もしようとせず、ただ寝そべりだ」
1970年代末に始まった改革開放は、かつて人々の希望を高めたが、天安門事件と法輪功弾圧以降、政治的雰囲気はますます人々の反感を買うようになった。 希望から失望を経て、若者たちは今、絶望になっているようだ。
中共の統治の下、若者の失業率は更に政治的に敏感な問題になっている。中国には実行可能な対策がなく、若者たちは「寝そべり」、「諦め」、「四不」によってしか不満を表明できない。
中国大陸のメディア関係者である黄金秋氏は、エポックタイムズに対し、このように語った。
「多くの政策が毛沢東の計画経済時代に逆戻りしようとしているため、多くの若者には希望が見えない。
現在の環境は、外国人投資家や外国企業が撤退し、米中関係はあまり良くないし、欧州は中国とデカップリングしようとしている。 中国の民間企業、多くの富裕層、多くの若者や中産階級の人々も米国に行ってしまう。
社会環境全体も特に楽観的とは言えない。だから、多くの若者はただ寝そべり、自分の一生をただ楽しむことにしている。環境が若者たちのこのような心情を生み出しているのだ。若者たちは、この現状を変えることができないと感じている 」
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