[香港 31日 ロイター] – 香港証券取引所は、企業が上場を申請する際に提出する書類で、中国関連の事業リスクを明記する義務を8月1日から撤廃する。
香港証取が21日に発表した協議文書によると、最新の上場規則改定で中国の政策やビジネス、法的環境によるリスクに焦点を当てた項目全体を撤廃した。
中国証券監督管理委員会(CSRC)は2月、企業の中国本土以外での上場に関する規則の見直しを発表し、香港はその1週間後に改定案について協議した。
香港証取を運営する香港取引所は7月21日、「中国本土の規制の枠組みに関する最近の変化」を考慮し、発行体に対する「要件の調整」に伴って今回の改定を導入したと発表した。香港取引所は規則改定の概要の中では、中国リスク開示の削除を大きな変更点として挙げていない。
香港取引所の広報担当者は電子メールを通じて「従来の規則では中国に法人格を持つ発行体に対する特定の要件を定めていたが、最近の協議では全ての海外法人格を持つ企業に対する要件の整合性が図られた」とコメント。上場規則が要求する水準に「後退はない」と考えており、中国に法人を持つ発行体は他の発行体と同じ開示規則の対象となると主張した。
CSRCは7月20日の法律事務所との会合で、企業が中国本土以外への新規株式公開(IPO)を申請する際の目論見書に中国の政策やビジネス、法的環境に関する否定的な表現を抑えるように要求し、従わない場合はIPOへの許可が下りなくなる可能性があると警告したとロイターが報じていた。
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