台湾の偽情報、中国やロシアによる虚偽のプロパガンダに類似

2023/08/08 更新: 2023/08/08

禁止されている生物兵器に関して台湾で流布されている偽情報は、中国やロシアが過去に行い、暴かれたプロパガンダと同じ特徴を持っている。

台湾と米国は、自治領である台湾に米国が違法兵器の開発を持ちかけたという疑惑を明確に否定している。 ロシアは、ロシアによるウクライナへの無謀な侵攻を正当化するために、同様の主張を捏造した。

米国務省の報道官は、シンガポールの通信社CNAに対し、この疑惑は事実ではないとし、「米国は生物兵器禁止条約(BWC)の義務を完全に遵守しており、そのような兵器の開発や保有はどこにもしていない」と述べた。

米国は、1972年に生物兵器禁止条約に最初に署名した国のひとつであり、米国が攻撃的生物兵器プログラムを停止した6年後に制定されたこの世界的禁止条約に同意している。 台湾も禁止条約に署名し、生物兵器の開発、備蓄、使用の禁止を守り続けている。

台湾の通信社「フォーカス台湾」によると、台湾政府は、国防部からのものとされ、生物兵器に関する主張を立証しようとする単独のメディアによって公表されたこの捏造文書は、中国による偽情報の既知の事例と類似していると指摘している。 さらに偽造を中国と結びつける理由として、この偽造文書の作成者は「党と国家の分離」を理解していないようだと台湾側が述べていることをタイペイ・タイムズ紙が報じている。

米国は数十か国と協力して、感染症の発生の検出、診断、報告、バイオセキュリティの向上に取り組んでいる。 新型コロナウィルスのパンデミックでは、米国が支援する研究所が診断検査や サンプル分析などの支援を行った。 米国国防総省(DOD)の協調的脅威削減計画の支援は、公衆衛生および動物衛生イニシアティブの能力構築や、最前線のバイオセキュリティ専門家の訓練にも役立っている。

米国防総省を含め、米国が提供する装備品や訓練は、世界保健機関(WHO)の要求事項の遵守だけでなく、透明性を確保するために米国の法律や規制の対象となる。 米国を拠点とする国際政策シンクタンク、ランド研究所によれば、米国はまた、疾病予防やその他の平和的目的のための協力を奨励する同条約の規定に基づいて、脅威削減活動を他の生物兵器禁止条約締約国に開示している。

2014年まで米国が同様の援助を行っていたロシアは、ウクライナと米国の公衆衛生パートナーシップが「生物兵器」開発の証拠だとする偽情報を長い間流布しようとしてきた。 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、このデマを利用してウクライナとの戦争を合理化しようとした。

ロシア内外の科学者たちは、その主張は事実無根であり、ロシアには告発を裏付ける証拠がないと述べている。 メディア機関「原子力科学者会報」によれば、2022年の生物兵器禁止条約締約国会議では、35か国以上が米国とともに、ロシアの根拠のない主張を拒否した。

中国共産党幹部らは、生物学的安全保障研究、新型コロナウィルスなどのウイルス、米国と台湾のパートナーシップに関する偽情報を発信するパターンに従い、記者会見やソーシャルメディアの公式アカウントでこの作り話を繰り返している。

台湾を狙った最新の偽情報は、国防部が計画しているバイオセーフティ研究所に関する真実を歪曲したもので、この研究所は台湾のパンデミック防止と生物兵器の探知能力を強化することを目的としている。 ワシントンD.C.を拠点とする戦略リスク評議会のヤンネ・E・ノーラン・センター戦略兵器センターの特別研究員、ダン・リーガン氏とリース・デュビン氏は、このような対策は即応性を維持するために極めて重要だと「原子力科学者会報」に寄稿した。

「疾病、紛争、そしてあからさまなデマ情報のこの壊滅的な組み合わせは、生物学的脅威に対抗し、生物学的リスクを軽減し、自然または人工的な生物学的事件に備え、対応するための世界的な努力である生物防衛を、かつてないほど不可欠なものにしている」と述べている。

Indo-Pacific Defence Forum
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