中国のネットワーク・セキュリティ専門家の阿灝氏は、ネット上に自身の動画を公開して、中国で人気の通話チャットアプリ「ウィーチャット(WeChat/微信)」がいかにしてユーザーのデータを監視しているかについて暴いた。
阿灝氏によると、ウィーチャットは暗号化されたログファイルを使ってユーザーのデータを自身のデータセンターに密かにアップロードしている。たとえウィーチャットアプリを起動していない状態でも、このアプリは数分おきに更新され「24時間ユーザーを監視している」という。
「ウィーチャット」は、世界中の中国系移民にとって、中国にいる友人や家族、顧客や取引先とつながるための欠かせないツールだが、その安全性に対する懸念は以前から取り沙汰されてきた。
これに先立ち、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル2020年12月23日付は「ウィーチャットは中国でどこにでもある監視ツールになった」と題する記事のなかで、「ウィーチャットは中国政府が民衆を監視し、その発言を検閲し、反体制派を処罰するための最も強力なツールのひとつになった」と指摘している。
米政府は20年9月にウィーチャットの新規ダウンロードを禁止すると発表していたが、米カリフォルニア州の連邦地裁が、法律の施行を一時的に差し止める命令を下したことにより、まだ利用可能な状態にある。
中国発の動画共有アプリ「ティックトック(TikTok)」にも、キー入力を監視するJavaScriptが埋め込まれていることが専門家によって指摘されている。また同アプリは、中国の監視部門に利用者情報を流出させているとの疑いがもたれている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。