2023 年7月、インドは国内の食糧供給の確保と国内価格の安定のため、「バスマティ米」以外の白米の輸出を禁止した。これを受け、米の国際相場が急上昇し、現在は12年来の最高値に迫っている。
インドは世界最大の米輸出国であり、 2022年度の輸出量は約2250万トンだ。
インド国際経済関係研究評議会(ICRIER)のアショク・グラティ氏は「インドは世界の米輸出の40%を占めている。 現在、その約48〜50%が規制または禁止されている」と述べた。
露ウ戦争が勃発してから、世界有数の穀物輸出国であるウクライナの穀物輸出が妨害され、世界の食糧安全保障は悪化している。ウクライナのクブラコウ副首相は23日、露軍のイズマイール港への攻撃で輸出用の穀物1万3千トンが一夜にして失われたと明らかにした。
インドの輸出禁止に加え、異常気象が農作物の生産に被害をもたらしていることから、食糧に対する懸念が一層高まっている。
インドによる「非バスマティ米」輸出禁止令に他国が追随するるなら、事態は更に悪化する可能性がある。
現在、アラブ首長国連邦は国内の米在庫を維持するために輸出を停止している。
タイなどのコメ栽培国は輸出を増やす一方、慎重な態度をとっている。
国連食糧農業機関FAOは8月4日に、全世界の米価格はここ12年の最高値に達しており、米を主食とするアジアの米価は現在15年来の最高値を記録していると発表した。
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