小泉農相と筒井経団連会長 企業の農業参入と輸出促進で合意 コメ増産や生産基盤強化へ

2025/06/18 更新: 2025/06/18

農林水産省の小泉進次郎農相と経団連(日本経済団体連合会)の筒井義信会長は6月17日、東京都内で会談し、企業による農業分野への参入の促進や、コメを含む農産物の輸出拡大に向けて協力することで合意した。毎日新聞、日本経済新聞など日本の大手メディアが報じた。両者は、若い世代が魅力を感じる農業の実現や、食料安全保障の強化を目指し、今後の具体的な取り組みについて意見を交わした。

今回の合意では、企業の農業参入を加速させるための生産基盤の強化や、コメなど食産業全体の流通におけるデータ連携の推進、スマート農業機械や高速通信環境の整備、そして農産物の輸出促進などが柱となっている。小泉農相は、企業の活力を農業分野に取り込むには一定の経済的合理性が必要だと述べ、大規模な農地経営による生産コストの削減が重要であると強調した。また、筒井会長は、食料安全保障や持続可能な農業の確立に向けて、政府と民間がどのように連携していくか議論する場ができたことを評価した。

政府はこれまでも、コメをはじめとする農産物・食品の輸出拡大を重要政策として掲げてきた。農林水産省は、2030年度までに農林水産物・食品の輸出額5兆円を目標にしており、輸出重点品目としてコメや果樹などを選定し、産地ごとの輸出拡大プランや生産体制の強化を進めている。また、スマート農業の導入やデータ活用による生産性向上、輸出に必要な規制対応の支援なども進めている。

一方、コメの生産現場では、輸出拡大に向けて生産コストの削減や高付加価値商品の開発、海外市場の開拓などが課題となっている。政府は、産地と輸出事業者のマッチングや、現地での販売拠点設置、規制緩和などを通じて、輸出力の強化を図っている。

大紀元日本の速報記者。東京を拠点に活動。主に社会面を担当。その他、政治・経済等幅広く執筆。
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