「中国は原発処理水を口実に日本の水産品の輸入を規制している。日本も中国製太陽光パネルの購入をやめたらどうか」
東京都内で26日に行われた講演会で石本崇・岩国市議がこう語ると、会場からは熱烈な拍手が上がった。世間では風力発電をめぐる「政治とカネ」に注目が集まるが、日本各地に広がる太陽光パネルの発電施設も課題山積だ。
石本氏は地元・岩国市や山口県における外国資本の太陽光発電と土地利用について、危険性を訴え続けている。無遠慮な山野へのパネル設置は自然環境への悪影響や土砂災害のリスクが高まり、材質の希少土採掘には中国共産党の人権侵害への懸念が浮かぶ。電力会社に中国政府系の背景があれば、日本の安全保障への脅威としても無視できない。
岩国市のメガソーラーの敷地面積は214ヘクタールで、うち110ヘクタールに太陽光パネルを約30万枚設置している。中国の大手電力会社上海電力の100%子会社上海電力日本が2021年9月にファンドの「アール・エス・アセットマネジメント」から買収した。
発電所の建設で直接的な影響を受けるのは地元住民だ。石本氏によると、山を切り開いたことにより保水力が低下し、河川の水が減り稲作が困難になっている。さらに、水からは毒性のあるヒ素や鉛も検出されたが、山口県に原因調査を依頼しても、「自然由来」であるとして取り合ってもらえなかったという。
土砂災害の危険性もあるため、石本氏は上海電力に対し発電所の視察を申し入れたものの、工事などを理由に何度も拒否されている。「敷地内に入ってほしくないのだろう」と石本氏は語った。
中国系資本が関わる複数の再生可能エネルギー発電施設が、重要な海路や空路を「包囲」するように建設されていることにも、石本氏は懸念を示した。
岩国市には米海兵隊航空部隊と海上自衛隊の基地があり、大陸方面に睨みを効かせている。しかし、岩国市美和町の太陽光パネルは米軍機が北東アジアに飛ぶときの空路の下、柳井市の太陽光パネルは沖縄方面に飛ぶときの空路の下にそれぞれ位置している。
石本氏は「岩国基地は中国にとって目の上のたんこぶだ。岩国基地を包囲する態勢ではないか」と危機感を示した。
こうした状況にもかかわらず、県議会や国政はほとんど対策に乗り出していないのが現状だという。石本氏は来場者に対し「長州には草莽崛起という言葉がある。上が動かないなら地方議員が動くしかない。皆様のお力添えをぜひお願いしたい」と訴えた。
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