「ナチス・ウクライナ」中国政協委員の爆弾発言に世間が騒然

2023/09/13 更新: 2023/09/14

中国の政協委員・周小平氏と妻の王芳氏が、ロシアメディアとの会見の際に「ナチス・ウクライナ」と爆弾発言をして、再び世間を騒がせている。

これに先立ち、周氏はロシアによる占領が続くウクライナ・マリウポリの劇場の廃墟で、ロシア民謡「カチューシャ」を歌う妻・王芳氏(オペラ歌手)を撮影した動画をSNSに投稿して物議を醸していた。周氏は問題の動画とともに、自分の妻を「戦地に咲くバラ」と称賛していた。

だが、その「戦地」というのは、600人以上のウクライナ市民がロシア軍の攻撃によって殺された劇場の廃墟だ。中国人歌手の軽率な行動を知ったウクライナ市民は「受け入れられない」と憤慨し、ウクライナのニコレンコ外務報道官まで「この動画は、完全な倫理的堕落の産物だ」と非難している。

11日、「X(旧ツイッター)」に「中国人ブロガーが見た、ロシアの特別軍事作戦」と題されたロシアメディアによる周夫妻の独占インタビューの動画が拡散された。

王芳氏は「私はナチス・ウクライナがドンバスの子供たちを殺害しているのを見て、怒りがこみ上げてきた。だから、私はドンバスに来て子供たちを助けようと思った」と語った。

 

なお「ドンバス地方」は、2014年からロシアが占領しているウクライナ領土である。

王氏のそばに座る周小平氏も「今回のロシアとウクライナの戦争において、劇場を破壊した責任はロシアではなくウクライナにある」と述べている。さらに「ロシアは現地住民を守るため行動したが、NATOの襲撃を受けた」として、ロシアへの支持を表明した。

周氏によると、王芳氏はウクライナ東部の親ロシア派武装勢力を率いるデニス・プシーリン(Denis Pushilin)氏とも面会したという。

この動画が拡散されると「なんて恥知らずな」「この夫婦こそ戦犯だ」といった非難が殺到した。

なかには、ウクライナ在住の華人から「同じ中国人として本当に恥ずかしい。ウクライナ人に合わす顔がないよ」「私たちはウクライナで頑張ってきた、しかし彼女の歌1つで我々の努力を全て台無しにした」と嘆く声も寄せられた。

マリウポリ劇場の件の後、米ブルームバーグの記者が中国政府の定例記者会見で、この件に関する中国側の対応について質問した。中国外務省の毛寧副報道局長は「ウクライナの問題に対する中国の立場は一貫している」などと全く質問と噛み合わない「模範回答」をした。(関連動画はこちら

中国側のおきまりの回答に対して、「質問には答えない。何を聞かれようと、事前に用意された回答を読み上げるだけの仕事だ」といった非難が寄せられている。
 

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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