「新型コロナ暴政と戦う」と宣言した共和党色の強いテキサス州。しかし、公的資金が投入された同州の教育機関では新型コロナワクチン接種を義務付ける動きが進んでいる。
世界最大の医療センター内にあるテキサス州のベイラー医科大学と研究センターは先週、学生および教職員に最新のコロナワクチン接種を義務付けると発表した。
同大学は声明のなかで「以前のワクチン接種による予防効果は時間の経過とともに薄れ、今回の新しいワクチンは現在流行している株によりよく対応している」と強調。「ベイラーの教職員および学生は、コロナワクチンを接種する必要がある」と付け加えた。
一方で、医学的または宗教的な理由でワクチンを接種できない場合は、11月30日までに免除を申請するよう呼びかけた。
ベイラー医科大学は世界最大の医療センターであるテキサス・メディカル・センター内にキャンパスを構え、昨年時点での従業員数は1万1千人を超える。ベイラー医科大の報告書によれば、同大学の米国立衛生研究所(NIH)からの助成金は同州でトップ、国内第20位にあるという。
テキサス州のグレッグ・アボット州知事はこれまでも「(同州が)新型コロナ暴政との闘いを主導する」と公言してきたが、未だ公的資金で運営されている大規模な医療機関では、ワクチン接種を義務づけることが許されている。
アボット氏は9月に上院法案29号に署名し、地方自治体が新型コロナ関連のマスクやワクチン、事業停止を義務付けることを禁止した。しかし、病院や民間企業が従業員に新型コロナワクチンを義務付けることを禁じる別法案「テキサス州新型コロナワクチン自由法」は、依然として停滞している。
同法案は上院で可決し、下院でも圧倒的な支持を得ているが、テキサス州下院のカレンダー委員会を担当する共和党のダスティン・バローズ議員によって、審議が阻止されている。
テキサス州全土でワクチン接種義務化の禁止を求めているブライアン・ハリソン下院議員はエポックタイムズに「彼の阻止がなければ3千万人のテキサス州民がコロナワクチン接種義務から解放されていた」と不満をもらした。
一方、エポックタイムズはバローズ氏にもコメントを求めたが、本記事掲載までに返答は得られなかった。
テキサス州の開業医であり、健康の自由連合(Coalition of Health Freedom)の創設者であるメアリー・ボウデン医師もワクチン義務化の動きは始まりに過ぎないと指摘。
「コロナはもう過去のことで、義務化について心配する必要はない、という考え方に陥っている人が多い。しかし新型コロナワクチンの義務化はテキサス州では健在であり、これは始まりに過ぎない」と警告した。
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