27日、中国の李克強前首相の急逝が伝えられた。公式発表では心臓発作が原因とされているが、不自然な点を指摘する声も大きい。こうしたなか、中国人の間では李克強氏の在任中に習近平氏との間で勃発した「闘争」が話題となっている。
今年3月の中国共産党全国大会での出来事だ。習近平氏と李克強氏はいずれも演説を行ったが、その内容を細かく見ていくと、暗に互いを批判していると解釈できる部分があるというのだ。
3月6日には、習近平氏が民建工商連合業界の政協委員を相手に行った演説が新華社によって伝えられた。それによると、習氏は「一部の政策は、うまく進めば改革の成果となるが、そうでなければ腐敗への道となる」と発言し、「放管服」という方針について不満を露わにした。
この「放管服(行政簡素化と権限委譲、権限委譲と管理の両立、サービスの向上)」の方針こそ、李克強首相が2015年に提案し、実施した行政改革なのだ。
その上で、 習近平氏は「緩めた後、きちんと管理されているのか?きちんとサービスが提供されているのか?ただ緩めるだけでは、破滅への道を歩むだけだ」と警告した。
3月7日、中国問題評論家の陳破空氏は大紀元の取材に対し「習近平氏のこれらの言葉は、李克強氏への不満を示唆している可能性があり、彼の政府での影響力を排除しようとしているのではないか」と指摘した。
3月5日には、中国共産党の全国大会の開始日に、李氏が最終の政府活動報告を行った。関連の映像では、会議後、習氏は長い間共に仕事をしてきた李氏とわずかの間だけ握手を交わし、その後すぐに場を去った。この握手の際、習氏が李氏を正面から見ていなかったことも注目された。
陳破空氏はさらに、習氏と李氏の間のライバル関係を強調。「李氏は発言の後、拍手を37秒間受けたが、習氏との握手はたった1秒であった」とコメントした。
また、政治協議会および全国大会で、李氏は国務院のスタッフらに対し、「天には目があり、天が私たちの行動を見ている」と発言していた。このコメントはネットユーザー間で話題となり、習氏を皮肉っているのではないかとの憶測も出た。
評論家の顔純鉤氏はFacebookで「李氏は自分の立場を明確にし、習氏との違いをはっきりと示した。李氏と習氏は同じ場にいるが、その行為の違いは天がしっかりと見届けていると言いたかったのではないか」と述べた。
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