「アルゼンチンのトランプ」当選 米共和党が大歓迎

2023/11/21 更新: 2023/11/23

極右経済学者のハビエル・ミレイ氏がアルゼンチンの新大統領に選出されたことを、米国の共和党は歓迎している。ミレイ氏は、米国の左派メディアに「小さなトランプ」と呼ばれている。

政治家、リベラル派経済学者であるミレイ氏は、小さな政府と「(政治の)沼の水を抜く」ことを唱えている。同氏は24州のうち21州で勝利し、19日の総選挙で56%近い票を獲得し、12月10日に大統領に就任する予定。

大統領選では、アルゼンチンの大規模な経済危機と、40%の貧困率と記録的なインフレが争点となっていた。

ミレイ氏は経済衰退を食い止め、景気回復を推し進めると約束した。さらに自国通貨をペソから米ドルに移行すること、中央銀行を廃止すること、政府部門の半分を廃止すること、社会補助金の削減、中国共産党(中共)との関係の断絶、左翼に対する文化戦争を展開することなどを公約に掲げている。

ミレイ氏は中絶の権利とフェミニズムに反対しており、気候変動は「社会主義者の嘘」だと考えている。

米国のトランプ前大統領は自身のトゥルース・ソーシャルで「あなたは国を変え、アルゼンチンを再び偉大な国にするだろう」とミレイ氏の当選を祝福した。

ミレイ氏を祝福する動画で、共和党のビベック・ラマスワミ候補は、「ついに、官僚主義を削減する方法を知っている、あるいは少なくともそうする意志のある人物が現れた。 政府の危険性を理解している人物だ」と述べた。

ユタ州の共和党上院議員マイク・リー氏は「もしアルゼンチンが政府の規模を制限し縮小する力を持つ政府を選出できるなら、我々にもできる」とXに書き込んだ。

共和党のアンナ・パウリナ・ルナ下院議員は、ミライ氏の選挙活動の動画をリツイートし「これがアルゼンチンの新大統領だ。 私たちにはそのようなエネルギーが必要だ」と投稿した。

しかし、ミレイ氏は現実的な問題に直面している。 彼の政党「自由前進」は下院257議席のうち35議席、上院72議席のうち7議席しか保有していない。そのため、より保守的な中道右派政党の支持に依存することになりかねない。

19日の夜、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスは歓喜に包まれた。数千人のミレイ支持者がアルゼンチン国旗を振り、花火を打ち上げ、ラテンアメリカで流行りのロック音楽を歌った。

林燕
関連特集: 北米・中南米