現在の中国では、経済不況などの外的要因ばかりでなく、社会に充満した「戻気(リーチー・邪気)」の影響により、さまざまな凶悪事件が発生しやすくなっている。なかでも、社会報復を狙ったとみられる車の暴走事件や無差別殺傷事件が相次いでいる。
12月24日、四川省成都市にある集合住宅「正因小区」付近で、ナイフによる「無差別切りつけ事件」が発生した。子供から高齢者に至るまで、8人が手あたり次第に切りつけられた模様だ。
現地の公安当局によると、事件は現地時間の24日16時ごろに起きた。逮捕された容疑者の劉(男、21歲)は精神疾患の病歴があるという。
公安の通報をめぐって、ネット上では「なぜ負傷者数を公表しない?」「なぜこれほどの重大事件を、こうも淡々と、大したことのない事件のように報じるのか。傷害事件と警察は言うけれど、現場にいた人たちにすれば、あれは殺人鬼だ」といった非難が殺到している。
また、現場の目撃者と思われるユーザーの書き込みによると、「犯人は、手当たり次第に市民を切りつけた。顔を切られた小さな女の子もいた。顔中血だらけのお婆さんが、地面にうずくまっていた」という。
事件の日にネット上に流出した「重大な突発事件の患者処置状況一覧表」によれば、切られた人数は8人で、年齢は7歳~93歳。いずれも女性だった。このうち2人が重傷、4人は「命の危険があるほど重篤」と書かれている。
また、このうち7歳の女児は「頭蓋骨骨折」。93歳の女性は「顔や頭皮に裂傷」など、多くの被害者が頭部を切られているという記述もある。
今回の事件で、犯人の動機などはまだ明らかになっていない。ネット上では「なぜ子供や老人を狙うのだ」「またも社会報復事件か」といった怒りや嘆きの声が広がっている。
経済不況により、賃金の未払いや企業倒産が相次ぎ、失業者が溢れかえっている昨今の中国。社会の不安定化はとどまることなく、自殺や「社会報復」とみられる凶悪事件が後を絶たない。
(警察に連行される容疑者らしき男。)
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