神韻渋谷公演が大盛況 歴史家からコンペ優勝ダンサーまで、各界から称賛の声

2023/12/29 更新: 2024/10/11

日本で巡回公演中の神韻芸術団は28日、東京のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で昼夜の2公演を開催した。ニューヨーク発、中国古典舞踊と音楽の舞台公演を通して、失われた中国伝統文化の復興を目指している神韻。この日も、満場の劇場に集った各界の観客から賞賛の声が届いた。

「身軽で綺麗、能力が高すぎる」国際的なダンサーが驚嘆

2023年12月28日夜、ジャズダンサーのアレクサンドラ蛍さんが、神韻ニューヨーク芸術団のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)での第三回公演を鑑賞した。(寺田崚平/大紀元)

この日、ジャズダンサーのアレクサンドラ蛍さんが公演を鑑賞した。「(演者が)身軽で綺麗、動く時も全く体が上下しない、ダンサーから見ても能力が高すぎる」と驚嘆した。

「群舞では誰一人乱れることなく、誰か一人が輝くのではなく、皆が全体で輝いていた。ダンサーは目立ちたがって『自分が自分が』となりがちだから、皆が一体となって綺麗に見せるのは難しい。どんな訓練をしているのだろうかと思いました」

アレクサンドラさんは2018年、LAで開催された米国で最も古いダンス大会「Showstopper(ショーストッパー)」ジャズダンス部門で、日本人初となる大会総合優勝を勝ち取った。この大会は、ビヨンセやブリトニー・スピアーズなど、大スターを輩出してきた。

「黄色のお花の舞がすごく綺麗だった」と、伝統的な女性の民族舞踊が気に入ったというアレクサンドラさんは、回転技など高難度の技巧を披露する演者の集中力に着目した。

「精神力を鍛えるとか、故きを温ねて新しきを知るとか、そういう文化は中国に一番根付いているし、 今でも続いている。ダンサーとしてとても興味がある。素晴らしいと思いました」

今年で創設17年目を迎える神韻は、現在8つの同規模の芸術団を抱え、それぞれが世界ツアーを行っている。昨シーズンには24か国の200近い都市をめぐり、数々の世界トップレベルの劇場で満員の大盛況を記録した。しかし、中国本土で上演することはできない。

「とても素敵な文化なので、中国で公演できないのなら、中国以外でもっと広まったらいいと思います」と、アレクサンドラさんは述べた。

歴史家「数千年の歴史、バラエティのある舞台」

2023年12月28日午後、作家で歴史家の林千勝さんが、神韻ニューヨーク芸術団のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)での第二回公演を鑑賞した。(寺田崚平/大紀元)

「素晴らしいですね。感激しました。お一人お一人の技が凄いです」。そう語ったのは、この日の公演を鑑賞した作家で歴史家の林千勝さんだ。

「夢物語のような非常にスケールの大きい話もあれば、 食堂の話や現代の話もあり、場面設定が良かった。永遠の過去と今、 壮大なものと生活実感があるもの、 それらが全部入っていた」

神韻公演は、古典舞踊や舞踊劇、オリジナル歌曲の独唱、中国楽器の独奏など、約20の演目からなり、壮大な絵巻物のような世界に観客を誘う。林さんは、「数千年の歴史を通して、バラエティのある舞台だった。そこに感動しました」と鑑賞の喜びを語った。

最近体調を崩していたという林さんだが、神韻から元気をもらったそうだ。特に、中国楽器である二胡の独奏に癒されたという。「古代中国では音楽は薬と見なされていた」という司会者の説明を受けて、「ぴったりですね、よく効きました」と笑顔で語った。

林さんは長年、近現代史の探究に取り組み、関連書籍を多数出版している。伝統や道徳が破壊された現代中国を舞台に、信仰者の受難と救済を描いた演目からは「訴えてくるもの」を感じたという。

「目でそのまま見て分かる。言葉、文字以上のものがあるのではないでしょうか。団員の方々皆さんの大きな願い、希望を感じました」

「真善忍が響いた」家族で感動、伝統工芸を継承する経営者

2023年12月28日夜、インテリア会社社長のアズミ・アバスさんとそのご家族が、神韻ニューヨーク芸術団のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)での第三回公演を鑑賞した。(寺田崚平/大紀元)

この日、インテリア会社社長のアズミ・アバスさんとそのご家族が公演を鑑賞した。「感動しました 。描かれている中国の景色は本当に綺麗です。中国に行きたくなった。今まではそんなこと考えたことなかった」と、アバスさんは新たな中国を発見していた。

ご夫人の洋子さんが、家族へのクリスマスプレゼントとして神韻公演のチケットを購入したという。洋子さんは、「感動しました。もう一回見たいです。男性舞踊がとても迫力があって素晴らしかった。固さとか冷たい感じがなくて、暖かくて素敵でした」と、穏やかなエネルギーを感じていた。

アズミさんご夫妻は、東京の日比谷で、直輸入ペルシャ絨毯とインテリアのお店を30年以上にわたって経営されている。伝統工芸を継承している身として、失われた中国伝統文化の復興を目指す神韻の取り組みに共感し、周囲にも鑑賞を勧めているという。

洋子さんは、中国本土で続く法輪功迫害を描いた現代劇に涙したと語った。次女の美奈さんも「現代の問題に親身になれる機会があって良かったです。少しでも問題解決に向かえばと思います」と真摯に受け止めた。神仏による救済が描かれるエンディングに、お2人は「希望を感じた」という。

「人の心の中に神様がいることだったり、正直さや優しさ、思いやりなどを感じ、家族で感動しました」と洋子さん。美奈さんも、神韻が伝える伝統的な道徳観にも共感し、「宗教に対して感じる壁を柔らかく折り混ぜるような形で、いろんな方々に浸透すると思う」と述べた。

「真善忍が響きました」と洋子さんが語ると、アバスさんも「新しい時代が来ている」と続けた。「もっと自由にみんなのパワーが染み通ればね。まだ中国で開催できないと聞いたので、もっと周りから応援があれば良いかなと思います」

軍事ジャーナリスト「中国共産党への強烈なメッセージ」

2023年12月28日夜、軍事ジャーナリストの鍛冶俊樹さんが、神韻ニューヨーク芸術団のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)での第三回公演を鑑賞した。(王文亮/大紀元)

「本当に素晴らしい公演だった」軍事ジャーナリストの鍛冶俊樹さんは神韻公演を鑑賞し、こう語った。中国古典舞踊については「技術的に非常に質が高い」と賞賛した。

鍛冶さんは元航空自衛隊将校で、長年中国共産党の脅威を訴えてきた。そうしたなか、中国共産党の振る舞いに単刀直入に切り込んだ神韻の演目は目を見張るものがあったと語った。

「一番最後の演目で、中国共産党が大洪水によって流されていくシーンがあった。単なる絵空事ではもはやないと思った。中国共産党の支配は、実際に大洪水によって消されようとしている。これは単なる神話ではなく、非常に強烈なメッセージだ」

神韻芸術団は中国の伝統文化の復興を目標に活動しているが、中国本土で上演することはできない。鍛冶さんは「中国文化には長い歴史があるものの、中国共産党は文化大革命でそれらを全部破壊してしまった。やはり中国共産党というのは、中国文化を否定している政権だ」と述べた。

神韻の演目には中国の伝統文化だけではなく、現代中国で生きる法輪功学習者の物語もある。「今の中国大陸では率直に言えないメッセージがあった。他ならぬ中国の人たちからこのようなメッセージが出てきているのは、非常に重要なことだ」と感慨にふけた。

西遊記の演目については「舞踊として、うまくストーリー化されていた。物語が最終的に明るいメッセージになっていたこともよかった」と語った。

鍛冶さんは「現代文明は科学技術万能で、精神性、宗教性を全否定してきたが、世界的に行き詰まりを感じている」とし、「中国の数千年の歴史のなかに人類文明の一つの可能性を見出そうとしている、そのようなメッセージが、歌詞にもよく現れていた」と強調した。

ニューヨークを拠点とする神韻芸術団は失われた中国伝統文化の復興を掲げ、世界各国の劇場で毎年一新した演目を披露している。現在、8つの同規模の芸術団を抱え世界中で巡回公演を行なっている。神韻2024日本公演は、2023年12月22日から2024年2月16日まで、全国12会場で42公演を挙行する。

公演のチケットはチケットセンター(0120-91-8487、午前10時〜午後6時)のほか、公式ホームページから購入することができる。チケットぴあや楽天チケット等、大手チケット予約サービスでも取り扱いがある。

大紀元は神韻芸術団の後援として、2006年の芸術団創設以来、観客の声を伝えています。

政治・安全保障担当記者。金融機関勤務を経て、エポックタイムズに入社。社会問題や国際報道も取り扱う。閣僚経験者や国会議員、学者、軍人、インフルエンサー、民主活動家などに対する取材経験を持つ。
大紀元報道記者。東京を拠点に活動。