中国メディア司会者がSNSで問題発言 日本の地震は「罰が当たったからだ」 

2024/01/03 更新: 2024/01/03

日本で1日午後4時10分に発生した「令和6年能登半島地震」では、強い揺れによる建物の倒壊や火災、津波によって多くの地域で甚大な被害が発生した。3日午後8時の時点で確認された死者は、石川県内であわせて73人となった。

各国の首脳や市民から、日本政府と日本国民に対してお見舞いのメッセージが続々と寄せられている。そのようななか、中国メディアの司会者による「問題発言」がネット上で波紋を広げている。

中国海南省のラジオ・テレビ局「海南広播電視台」の司会者・程皓氏は1日、自身のSNSに「罰(ばち)が当たったんじゃないか。日本でマグニチュード7.4の地震発生(報應來了?日本突發7.4級地震)」と話す動画を投稿した。

程氏はさらに、その動画のなかで「新年早々、1日目からこれほど大きな自然災害が発生するなんて。日本は2024年の1年間、全てが暗雲に包まれるだろう」と語った。

中国の一般のネットユーザーのなかで、一部ではあるが、日本の地震災害を揶揄するような「心ないコメント」は、すでに数多く出ている。

しかし今回は、一般のネットユーザーではなく、中共官製メディアの司会者が日本の災難について「罰が当たった」と呼んだ。そのことは、中国においてもネットを騒然とさせ、物議を醸す事態になった。

確かに、これまで中共の戦狼外交や反日プロパガンダの影響を長年受けてきた中国のネットユーザーのなかには、日本に対する屈折した心情からか、程氏の発言に賛同する者も少なくない。

しかし一方で、今回の程氏の発言を「非人間的だ」と非難する中国人も多いのである。

とりわけ昨年12月18日深夜、中国甘粛省で発生した地震災害を想起すれば、日本の災難だけを「罰が当たった」と述べたことは、中国人としても受け入れられるものではないからだ。

現在、中国経済は急速に衰退し、外国資本の撤退が相次いでいる。中共は、それまでの戦狼外交によって、国際社会においてますます孤立している。

中共当局は、そのような切羽詰まった状況のなかから、瀕死の状態にある自国の経済を救うため、外国企業に対して中国への投資を必死に呼びかけている。

そんな矢先に、中国官製メディアの司会者が、日本で起きた地震災害をあたかも嘲笑するような発言をした。それがもたらす中国への良くない影響は、当然ながら、中共当局としても望むものではない。

程氏の発言を「不適切だ」とする世論の圧力を受けて、同氏が所属する「海南広播電視台」は2日、程皓氏に対して業務停止と動画削除を命じた、と発表した。

過去、数十年間にわたり、中国共産党は中華の伝統文化を破壊してきた。そのことが、今日の中国人の道徳を欠如させ、中国社会に著しいモラル低下をもたらした。

とりわけ、中共が自身の暴政を行う上で、頻繁に利用してきたのは「抗美仇日」。つまり「米国に反抗し、日本を憎悪する」ように、中国人を徹底的に洗脳するプロパガンダである。

そのような中共の洗脳的プロパガンダを長年浴びせられた中国人が、日本の自然災害を前にした時の無関心さや冷酷な反応、さらには「人の不幸を喜び、揶揄する態度」は、他国の良識ある一般市民にとって全く理解できないものとなっている。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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