チャイナマネーが日本に逃げ込んでいる。上海証券取引所は18日午前、上場する日経平均株価連動型の上場投資信託(ETF)の売買を二日連続で一時停止した。中国市場の厳しい状況から逃れようとする中国投資家たちは、日本に熱視線を注ぐ。
中国本土の投資家は海外株式口座を持っておらず、資本規制に直面しているため、ETFは外国株式市場に投資する最も便利な方法の一つとなっている。
日経平均株価はバブル期以来34年ぶりの高値を記録し、先月から10%を超える上昇となっている。こうした高騰は外国人が主導している。18日に日本の財務省が発表した1月の非居住者による対内証券投資では、株式・投資ファンド持分で1兆2026億円の取得超、中長期債で9802億円の取得超、短期債で3713億円の処分超となった。
長期的な低成長にある日本経済の実態とは乖離が生まれるとの見方もあるが、中国市場に失望し、逃避先を探すチャイナマネーが、日本市場にも影響を及ぼす一因となっているようだ。日本銀行の金融緩和政策の維持による円安も後押しする。
ある在日中国人は日本投資の人気について「政情や経済基盤の安定によって資産の安全性も保つことができる」といった政経面のほか、「日本は中国の唐や宋代の文化が残っており中国富裕層に好まれる」との文化的なインセンティブがあるとの見方を示した。
中国共産党の非人道的な「ゼロコロナ政策」に嫌気がさし、中国を後にする移民も資産の移転に拍車をかけている。
英国移民コンサルティング会社ヘンリー・アンド・パートナーズは、昨年は中国から1万3500人の富裕層が国外へ移住したとの予測を示した。「中国は富裕層流出人口の数を毎年塗り替えている」とし、富裕層のみならず中間層の流出も続いているとした。
資産移転はヤミ銀行で
米メディアNPRに答えた北京出身の在日中国人は、コロナ禍によって富裕層は、共産党体制下の中国では「高学歴や資本、コネさえも、基本的な生活欲求を満たすことができないと気づいた役立たないことに気づいた」と述べた。
日本で長年不動産仲介業に従事している中国人はこの2年間で、「良い立地、良い価格、高いリターンの家がすべて売り切れた」と語った。中国人投資家は全額現金で購入するこのも少なくないという。
不動産への投資は近年始まりコロナ明けに加速した。12月21日に中国国内メディア「在人間」の記事によれば昨夏に高まり、「中国人が驚くべき規模と情熱で(日本の不動産市場に)注いでいる」という。マンションやアパートなど複数を一挙に購入する人もいるとした。
中国共産党は資本流出を防ぐために一人当たり年間5万ドルの外貨購入制限を設けており、中国人の日本移住や不動産購入には金融上の障壁に直面することもある。
しかし、こうした障壁さえも楽々と飛び越えているとの情報もある。「正規ではない金融機関を使って高い手数料を払い日本円に変えている。池袋などで、看板などないものの裏取引所を運営している人も」
「暗号資産もある。このあたりの術はいろいろある」と都内在住の匿名の中国人は大紀元に語った。
日本の人気は共産党による内政失敗と関連する。習近平政権による厳格な新興産業への規制、不動産業界の深刻な危機、消費意欲の低下、若者の就職率低下、出生率の低下と高齢社会など枚挙にいとまがない。
無規制な外国資本は日本の不動産価格の高まりを引き起こし、政治パーティ券問題で現れたように金銭による影響工作も効力をもたらす可能性もある。岸田政権に、対策が求められている。
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